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CELレポート

豊田 尚吾

1999年04月01日

キーワード&トピック「炭素基金」

作成年月日

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媒体(Vol.)

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1999年04月01日

豊田 尚吾

エネルギー・環境

環境対応

CELレポート (Vol.1)

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1.仕組み

 世界銀行・環境部が政府、民間企業に出資を募り、基金を設立する。それをもとに途上国などで温暖化ガス削減プロジェクトを実施、削減できた分を出資者に「排出クレジット」として還元する仕組みである。具体的には、温暖化防止京都会議で採用が決まったクリーン開発メカニズム(CDM)や共同実施など、柔軟措置を利用したモデル事業を行う。ロシアや途上国において風力発電やコジェネシステムなど二酸化炭素(CO2)削減につながる事業を実施し、削減分を出資率に応じて配分することで自国の削減量に引き当てる。その他にも、途上国などで省エネ対策などの温暖化防止プロジェクト、太陽光などのエネルギー利用促進、発電所のエネルギー効率改善などを発掘、選定する。出資者は基金を通じて得たクレジットを自らの削減実績に算入でき、市場で売買することも可能になる見込みである。活動期間は2012年までを予定している。

 4月13日に世銀の理事会にかけて設立を決める。総額7500万ドル以上の基金が集まれば、9月か10月には運用を開始する。10−15の温暖化ガス削減プロジェクトが候補に挙がっており、排出権取引などの枠組み作りが最終的にまとまるのを待たずに、途上国やロシア、ウクライナなど移行経済国でいくつかのプロジェクトが並行して動き出す可能性もある。世銀が基金を設立する背景には、「地球上から貧困を無くす」という世銀の基本理念がある。

 

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