安達 純
1999年03月15日作成年月日 |
執筆者名 |
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1999年03月15日 |
安達 純 |
住まい・生活 |
ライフスタイル |
情報誌CEL (Vol.48) |
今後の日本社会の進路を見定めるために、一度外からの目でこれまでの到達点を振り返っておきたい、というのが季刊誌C E L 4 8 号の狙いである。
C E L 自身もまた、2 1 世紀に向けて新たな道を模索しつつある。「今、この大変困難な時代にC EL の存在価値は何か」を巡って、所内ならびに社内で議論を進めているところである。結論までには、いま暫くの時間をいただきたいが、本号では、最近のC E L の研究活動について、その一端をご紹介させていただくことにしたい。C E L のこれからのスタート台がどこにあるのか、の確認のためである。
まず、経済社会分野では、昨年の1 1 月に前市岡楽正がこれまでの約4 年間の研究成果をとりまとめ、「安定への選択― 2 1 世紀の労働問題」( 「K B I出版」) を上梓した。その内容は、人口と経済の安定期への移行という長期的展望の下で、現在わが国が選択を迫られている人口・労働・経済問題にどう対応すべきか、という難問に真正面から挑戦したものである。この本は、季刊誌C E L 9 6 年6 月号より9 8 年6 月号まで9 回にわたり連載された論考を基にしている。
次に、国際経済分野では、豊田尚吾がグローバル・スタンダードの問題について、グローバル・スタンダードとは与えられるものではなく創るものである、との問題提起を行った。その主張は、「真のグローバル・スタンダードとは、地球規模で何が正しいかの判断の下に、われわれ自身がルール化していくものである。日本は経済倫理や環境・エネルギー問題などの分野でグローバル・スタンダードづくりに貢献できるのではないか」というものであり、この論考は、平成1 0 年度の東洋経済「高橋亀吉記念賞」の優秀賞を受賞した。( 「週刊東洋経済」9 8 年11 月2 8 号に論文掲載)