豊田 尚吾
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1999年01月01日 |
豊田 尚吾
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エネルギー・環境 |
エネルギー・ライフスタイル |
CELレポート (Vol.4) |
1. 悪魔?黒船?
丸紅、新日鐵、日立造船などは言うに及ばず、エクソン、テキサコ、あるいはモルガンスタンレーなどの外資も、日本のエネルギー市場を虎視眈々と狙っていることを示唆する情報が巷に氾濫している。その中で、米国の電力会社から“悪魔の化身”視(ビジネスウィーク97 年6 月9 日号)され、日本でも“黒船”扱い(エネルギーフォーラム99 年11 月号)されている企業が米国の総合エネルギー企業エンロンである。
日本のエネルギー業界への新規参入の話題がやや過熱気味なのは、言うまでもなく本年3月からはじまる電力小売りの部分自由化(特別高圧・供給電圧2万V以上、契約電力2千キロワット以上)がその理由である。規制緩和の先取りと金融工学などサービスの差別化で、近年国際的に存在感を増してきたエンロンが、公益事業の規制緩和の本格化を機に、何らかの形で日本市場に乗り込んでくることは以前から確実視されていた。そのような中、年初にエンロンがオリックス(本社・東京都港区芝、宮内義彦社長)と提携し、電力小売りに参入することが報じられた(日経新聞2000 年1 月4 日他)。そこで今回のキーワードでは、エンロンの企業概要、基本的な経営戦略、弊社を含む日本のエネルギー産業へのインプリケーションを簡単にまとめることとする。