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濱 惠介

1998年12月01日

ヨーロッパにおける建築リサイクル ・ 建築とまちづくり

作成年月日

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1998年12月01日

濱 惠介

エネルギー・環境

環境対応

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ヨーロッパといっても一口で語れる訳はなく、またこの分野の客観的な情報は限られている。ここでは「環境先進国」と言われるドイツを中心に、併せてイギリスとフランスの情報を引用することで、ヨーロッパにおける建築リサイクルの実状紹介とする。

「建築リサイクル」とは新しい概念で同時に特別な分野である。膨大な質量と材料の種類があること及び建設から取り壊し、または寿命途中の改築、修復など長期的な存在であることが特徴である。それ故に建築におけるリサイクルには、通常の対象とは異なる概念整理が必要となろう。

その便宜的方法の一つとして、1)建築全体(躯体)を再利用する、2)構成部材を再利用する、そして3)建設や解体の際に発生する副産物を新たな建材の原料として再生する、というような3つの場合を想定する。このような視点から見てみよう。

建築の再利用:ヨーロッパでは日本に比べて修復型建築が一般的なので、建築の再利用をわざわざ「リサイクル」と呼ぶのは当て外れかも知れない。しかし本稿の趣旨及びリサイクルの本来目的である資源の有効利用や廃棄物の再資源化という観点からすれば、これも立派なリサイクルと考えられる。

事例1:中層住宅から低層住宅に(グラスゴー、イギリス)

写真-1 と写真-2 は、スコットランドの工業都市グラスゴーの郊外にあるカースルミルク

住宅団地の修復前と後の様子をしめす。重厚長大型の産業が衰退するにつれ、団地も空き家が増加し失業問題とリンクして社会問題が顕在化した。抜本的改善のため1950 年代に建設された単調な4 階建て集合住宅を、この事例では変化ある2、3 階住宅に改築している。単純な階段室アクセスを伝統的なジョージアン様式に似せて1 階住戸には独立玄関を新設し、共用階段は2、3 階へサービスさせる形式に変えた。同時に窓をペアガラスに、個別石炭暖房からセントラル方式へ、外壁の断熱性化など、性能的にも格段の改善を施し魅力あるものとしている。

 

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