濱 惠介
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2007年12月28日 |
濱 惠介
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エネルギー・環境 |
省エネルギー |
WEB |
日経BP・ECO JAPAN連載コラム(15) |
いろいろな選択肢
再びエネルギーの話を取り上げます。地球温暖化と環境汚染を食い止めるには、エネルギー消費量の削減とエネルギー源の賢い選択が重要な鍵だからです。
住まいのエネルギー用途は、一般に暖房・冷房、給湯、調理、照明・家電などに分けられます。(第3回、2ページ参照)かつては暖房が灯油、給湯・調理がガス、冷房・照明・家電が電力、と用途とエネルギー種別の関係に一種の棲み分けがありました。ところが近年、技術の進歩と規制緩和によってその共存関係が崩れています。生活者にとって選択肢の広がりや利便性の高まりは結構なことですが、目に見えにくい環境負荷の増大や、単一のエネルギー源に依存することの危うさなどが懸念され始めています。
「省エネルギー」は繰り返し叫ばれ、スローガンとしては明瞭です。しかし具体的にどうすれば最も省エネ効果が上がるのか、合理的に判断するのは難しいものです。無駄をなくす、節約する、省エネ効率の良い器具を使うなど、誰でも知っています。しかし器具とエネルギー種別を選ぼうとする時、本質的なところを比べる方法がはっきりしません。それぞれに関する省エネ効果、環境への悪影響、設備投資込みの長期的な費用などを分かりやすくかつ客観的に比べられる情報が欲しいところです。
電力会社は電気の、ガス会社は都市ガス・プロパンガスの強み・優位性をそれぞれPRするのに余念がありません。エネルギーを供給する企業が自社商品の良さを宣伝し合う情報合戦の中で、消費者・生活者は惑わされているようです。単位熱量当たりのエネルギー価格を比べるのは比較的簡単です。しかし、捉えにくい環境への影響を比べるにはどうしたらよいのか、エコで正しいエネルギー選択ができるのか、今回はそのような疑問を解く手掛かりを提供したいと思います。