濱 惠介
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2007年06月19日 |
濱 惠介
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住まい・生活 |
住宅 |
WEB |
日経BP・ECO JAPAN連載コラム(1) |
濱 惠介です。自己紹介は折に触れてしたいと思いますが、略歴はプロフィール欄にあります。仕事と意識の重心を、順に都市・住宅・環境・エネルギーなどに置き、これらを重ね合わせながら、自分の価値観にあまり逆らわず生きてきた人間です。 これから半年余りの予定で、エコロジカルな暮らし方や家づくりについて、私の考えや実践していることを軸にエッセイを書くことになりました。お付き合いのほど、よろしくお願いします。
“エコ”、“エコロジー”という言葉はもう聞き慣れて、「環境にやさしい」とか「自然を大切にすること」…みたいな意味、という程度は誰でも知っているようになりました。このサイト名はずばり「ECO JAPAN」。私はエコの正確な意味の広がりを知っているわけではありませんが、やまとことばに適当な単語が見当たらないので、輪郭が曖昧なままこの外来語を借りて進めます。
エコロジーの本来の意味は「生態学」です。英語では「ecology」。しかしこの学問を確立したエルンスト・ヘッケル(Ernst Haeckel)はドイツ人ですから、「Ökologie」が用語の本家ですね。ウムラウトが付いた最初のÖの発音はドイツ語独特なので、日本語では「エコロギー」で勘弁してもらいます(“オコロギー”ではありません)。 さて、動物学者・哲学者のヘッケルは、「生物が無機質の環境に適合しまた他の生物と調和を保ち生息する様」をエコロジーという学問に体系付けました。1860年代の末、日本では徳川幕府が崩壊し明治のご一新となった頃のことです。
やがて「エコロジー」はその意味を拡大し、工業化社会の矛盾が大きくなった1970年代から、人類が自然環境との調和を保つ社会で生きることの代名詞として使われ始めました。現在では「環境共生」とも訳されています。またエコはもちろんエコロジーやエコロジカルの略ですが、環境への配慮にもとづいた様々なモノ・行動・価値観などにも使われています。このコラムのメインテーマ「エコな暮らし」と「エコな住まい」とは、環境への負荷(悪影響)をできるだけ減らし、健康で自然の摂理に素直な生活、そしてそのような生活をしっかり支えることができる住宅、といえるでしょう。