濱 惠介
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2009年08月04日 |
濱 惠介
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エネルギー・環境 |
再生可能エネルギー |
WEB |
日経BP社特設コーナー「High Ecology Low Carbon〜創エネ住宅の時代へ」内のコラム |
あり余る太陽熱 昔に比べ厳しさを増した夏の暑さに、地球温暖化、また都市部ではヒートアイランド現象の影響を実感する人も多いことでしょう。ギラギラと照りつける太陽を恨めしく思いながら、ガスや電気を使って湯を沸かすのはちょっと変じゃないですか? あり余る太陽熱を湯沸かしに使えれば、地球温暖化とヒートアイランドの防止に直接役立ちます。そんなまわりくどい位置づけをしなくても、単純に「タダで余っている熱」を使うことは、財布にも環境にも良いはずです。
若い方は「日向水(ひなたみず)」という言葉をご存知でしょうか。暑い季節、たらいに水を張って日当たりの良い場所に置いておくと、午後遅くにはぬる目の湯になります。昔はこの日向水で行水したと聞きます。ひょっとしたら、ギョウズイも死語かな? 念のために説明しますと、たらいにためた水や湯で体を洗うこと。「烏の行水」は今でも言いますね。日向水での行水は燃料も設備も不要で、実に素朴な太陽熱利用でした。
1950年代の終わりころでしたか、蛇口から湯の出る家( 本コラムその2 参照)の次に住んだ家には、初歩的な温水器がありました。それは大きさが畳1枚ほど、軟らかいプラスチックでできた扁平(へんぺい)な袋のようなものでした。太い土管を積み上げた古い給水タンクの上に、戸板のようなものに乗せて置かれていた記憶があります。朝、ゴムホースで水道から注水し膨らませ、一杯になると水が溢れ出すので、そこで止めます。夕方に暖まった水(湯)を同じホースで浴槽に落とし込むだけ。風呂を沸かす薪の節約になったようです。極めて単純なもので保温もありませんから、冬は駄目だったでしょうが、他の季節には結構役に立っていたと思われます。