豊田 尚吾
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2008年12月11日 |
豊田 尚吾
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住まい・生活 |
消費生活 |
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(産経新聞 夕刊(大阪)2008年12月11日掲載)
不確実性が高まっている現在、企業も先行きがよく見えないようです。先進国である日本では、技術的に驚くほど新しい商品を作ることは難しくなっています。仮に魅力的な商品ができても、他の企業がすぐにまねをしてしまいます。
結局、同じような商品ばかりで違いが分からない。このような現象を市場のコモディティ化といいます。
そうなると、企業はサービスやデザインなど、様々な方法で他社製品との違いを打ち出そうとします。
しかし、それも決して簡単ではなく、新製品がどの程度売れるのかを見極めることは、その道何十年といったプロでも難しくなっています。
そんな中、企業やマーケティングの専門家が最近注目しているのが、いわゆる目利きの力のある消費者です。
一見、ごく普通の人なのに、ある商品分野に関しては驚くほどの知識を持ち、商品の価値を見極めてしまう力を持っていて驚いたという経験が、皆さんにもあるのではないでしょうか。
そういった、新製品が売れるか売れないかを的確に言い当てる力を持った人たちがいて、彼らの意見を事前にデータ解析することにより、かなり正確な売り上げ予測をすることが可能だとの研究結果が出ているのです。一昔前に、超能力者を使って犯罪を予知し、発生を事前に食い止めるといった内容の映画がありましたが、ここまでくるとまるでSFのようです。
実際に調べていくと、特定の財に詳しいオタク的な人もいれば、ジャンルにかかわらず、広い目利き能力を持った人もいるようです。
幅広い目利き能力のある人のプロフィルを調べることで、見つかったキーワードは「経験」だとのことです。若いうちからお金に糸目をつけず、贅沢(ぜいたく)な消費を経験した人にそのような能力が備わる可能性が高いようです。やはり超能力ではないのですね。
皆さんもこだわりのモノやコトがあれば、目利きを目指してみてはいかがでしょうか。
生活満足度が高まることが期待できますし、もしかしたらどこかの企業が声をかけてくるかもしれません。
(大阪ガス エネルギー・文化研究所主席研究員 豊田尚吾)