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情報誌CEL

智頭町 森のようちえん「まるたんぼう」

2011年01月11日

地元の森を学び舎に創造力と感性を育む野外保育

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備考

2011年01月11日

智頭町 森のようちえん「まるたんぼう」

エネルギー・環境
住まい・生活
都市・コミュニティ

地域環境
ライフスタイル
コミュニティ・デザイン

情報誌CEL (Vol.95)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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−自然環境から学ぶ幼児教育−

−森の中で生きる力を身につける−
 清々しい空気に満ちた朝の森の中、リュックサックを背負い、おそろいの熊鈴をつけた子どもたちが、歓声をあげながら杉木立の間を駆け回る。鳥取県南東部にある八頭郡智頭町。面積の94%を山林が占める緑豊かな町に発足した森のようちえん『まるたんぼう』の園児は、雨の日も雪の日も森へ出かける。
 自然環境で幼児教育を行う「森のようちえん」はデンマークが発祥で、近年、日本でも徐々に認知度が向上し、幼稚園や保育園の他、様々な団体が取り組み始めている。『まるたんぼう』は智頭町に住む子育て世代の父母らが発起人となり、町の支援をもとに2009年4月に開園した任意団体。現在は鳥取県の「森林環境保全税」からの助成も受けており、行政と町民の強い連携による運営が特徴である。
 園舎は持たず、町周辺の開けた森から山奥の原生林まで、9カ所のフィールドを拠点とする。その野外活動の中心となるのが、子どもが自主的に行動する「お散歩」だ。
 「川遊びや木登り、虫や植物の観察など、子どものやりたいことを尊重し、個人のペースに合わせる“待つ保育”が基本です。森は子どもの好奇心を掻き立て、エネルギーを引き出してくれる場所の一つ。お散歩で遊びの創造力を広げたり四季の移ろいを感じたりと、子どもは自然の中で毎日新しい発見をしながら生きる力を身につけています」と話すのは、智頭町の自然にひかれ、県外から移住してきたという代表の西村早栄子さん。
 園児の数は現在13名。引率は園長と専属の保育士2名が行う。対象年齢は1歳児から5歳児で、3歳までの子どもは保護者の同伴が必要。また、夕方までの預かりが可能で、共働き世帯にも対応している。保育の内容は、月曜から金曜まで、毎日午前中に行う「お散歩」に加えて週2回、ものづくりやクッキングといった活動も行っている。取材に訪れた木曜日はクッキングの日で、園児たちが昼食をつくる様子を見学。年齢に関係なく皆が一緒に調理を行い、年長が年少の子どもを気遣い手を貸すなど、相手を思いやり、仲間意識を持って取り組む姿が印象的であった。
 「たくさんの気付きを与えてくれる自然環境だからこそ、自主的に学べる。私たちは指導者というよりも、観察者として子どもを見守っています」。そう語る園長の熊谷京子さんも毎日森へ入り、子どもの成長を日々実感しているという。

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