当麻 潔
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2011年09月30日 |
当麻 潔
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エネルギー・環境 |
エネルギー・ライフスタイル |
情報誌CEL (Vol.97) |
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2010年は、京都議定書の第一約束期間(2008年〜2012年の5カ年)の中間年であり、また、10月に第10回生物多様性条約締約国会議(COP10)が名古屋で開催された年でもあり、エネルギー問題および環境問題への関心が高まった年であった。生活者が、これらの問題について、どのように意識し行動しているのかを、2011年1月に実施した「これからの住まいとライフスタイルに関する生活意識調査」の結果から考察してみる。
-環境に配慮した日常の生活に関する意識と行動-
「省エネルギー」や「ゴミを減らす」など環境に配慮した生活の実践度について尋ねた。「そうだと思う(9.8%)」および「どちらかといえばそうだと思う(58.3%)」と回答した「エコな生活を送っている人」の比率は68.1%となり、「そうではない(5.5%)」および「どちらかといえばそうではない(25.5%)」と回答した「エコな生活を送っていない人」の比率の31.0%を大きく上回っている。世代間の比較を行うと、年齢が高くなるにつれエコな生活の実践度が高くなり、明らかな相関が見られる。また、男女間の比較を行うと、どの年代でも女性のエコな生活の実践度が高い。
昨年の調査(2010年1月)との比較を行うと、世代間や男女間の傾向はほぼ同じであるが、エコな生活を送っている人の全体の比率は、2010年の54.6%から68.1%と大きく増加している。これは、年々環境意識が高まってきているのとともに、エコな生活を送っている高齢者の回答率が昨年より高く、また、20代、30代、40代の実践度が大きく伸びたためである。
-日常の省資源行動の実践状況-
エコな生活の具体的な実践行動について、まずは省資源に関する行動について尋ねた。
省資源は地球環境問題に挙げられる廃棄物問題の重要な対策方法のひとつである。大量生産・大量廃棄で廃棄物の量が増加し、その処分に要する費用とエネルギーの増加、厳しい最終処分場の残余容量および残余年数、そしてエネルギーをはじめ天然資源をほとんど海外に依存しているという実態を踏まえ、私たち生活者は日常の生活においても省資源やリサイクルを進めなければならない。今回の調査では、ゴミの分別や再生紙の使用等13項目の日常の省資源行動について、その実践状況を尋ねた。
その結果、「ゴミを分別しリサイクルに協力する(93.5%)」「飲み物や食べ物をできるだけ残さない(88.0%)」「料理を作り過ぎない(78.0%)」「品物を修理しながら大切に長く使う(77.0%)」「買い物には買い物袋を持参する(76.9%)」「食料等買い物をしすぎない(74.9%)」については、多くの人が実践している。一方、「生ゴミの大部分は自宅で処理する(21.4%)」「エコマークの付いた商品を選ぶ(40.6%)」については、実践度は低く、生ゴミの処理方法やエコマークの種類とその意味についての周知が必要である。
世代間の比較を行うと、年齢が高くなるにつれ、実践度が大きくなっている傾向が見られる。男女別の比較では、女性ほど実践度が高い傾向が見られる。
昨年の調査との比較では、ほとんどの項目で実践度が高くなっている。特に「地産地消(58.1%→66.0%)」「過剰包装の商品は買わない(48.0%→57.7%)」「買い物には買物袋を持参する(67.2%→76.9%)」については、実践度が大きく増加している