志波 徹
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2011年09月30日 |
志波 徹
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都市・コミュニティ |
その他 |
情報誌CEL (Vol.97) |
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-はじめに-
本稿では、2010年度に実施した生活意識調査の中から、企業のCSRに関する調査について報告する。CSRは「Corporate Social Responsibility(企業の社会的責任)」の略であり、企業が利益を追求するだけでなく、組織の活動が社会に与える影響について責任を持ち、行政、消費者、投資家、従業員等の様々な利害関係者からの要求に対して適切に意思決定していきながら事業活動を展開することである。法令順守、コンプライアンス、リスクマネジメントなどの基本的な取り組みだけでなく、社会をよりよい方向に導くための社内外に対する活動が含まれる。
江戸時代の商家の家訓などにもCSRに通じる考え方を見ることができると言われるが、一般的にも企業は営利目的だけでなく、事業を通して社会に貢献することを目的に設立されていることが少なくない。また、持続可能な社会の実現のためには、人的・物質的な資本を有する企業の役割がこれから大きく期待される。
CSRという言葉自体は、一般の生活者に浸透しているわけではないが、昨今の企業の不祥事を通じて、マスコミをはじめ、企業の情報に注目する人が多くなり、企業活動の理念や実態は、各方面に伝わりやすくなっており、生活者も様々な判断をしていることと思われる。
そこで、今回の生活意識調査では、生活者が企業の社会的責任について、どのような意識を持っているかについて聞いた。
また、企業や商品に関する情報を入手しようとしても、以前はマスメディアしか手段がなかったが、情報社会の高度化に伴い、次第にウェブサイトやブログでの情報入手が主流になってくる。さらに、発信についても、企業側から一方的に発信するだけでなく、生活者が発信側になって、ブログやツイッターで企業や商品の情報を発信するようになると考えられ、コミュニケーション手段として、TVや新聞からインターネットに移っていく傾向があるのではないかと考え、それに関する調査も行った。