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情報誌CEL

加茂 みどり

2012年02月14日

少子高齢化時代と住まい

作成年月日

執筆者名

研究領域

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媒体(Vol.)

備考

2012年02月14日

加茂 みどり

住まい・生活

住宅
住生活
ライフスタイル

情報誌CEL (Vol.99)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。

-はじめに-

 

 日本の総人口はピークを超え、わが国はいよいよ人口減少時代へと移行した。人口減少の直接的な原因は出生数を死亡数が上回ることによる。近年の出生数の減少が、ついに人口減少に至ったということになる。
 少子高齢化は様々な要因から起こり、社会に大きな変化をもたらす。日本の少子高齢化は必然であり、住宅計画も少子高齢化の影響やその帰結に対応しなければならない。同時に、少子高齢社会へのスムースな移行を実現するためには、その要因をできる限り排除し、急激な変化を少しでも緩和しなければならない。また、住宅は様々な「家族」が住む器であり、少子高齢化に伴う家族の変容にも対応していかねばならない。戦後の日本の住宅計画は、いわゆる標準世帯といわれる夫婦と子どもからなる核家族を中心に考えられるのが一般的であったが、統計や推計のデータをみる限り、今後はそのような核家族を「標準」世帯と考えることができないのは自明である。また今までのような核家族を中心に考えられた住宅では、多様な家族のライフスタイルに適合しきれないことが、すでに顕在化しつつある。
 住まいにおける少子高齢化対応については、少子高齢化の要因や影響、少子高齢化にともなう社会的変化を全体的にみた上で系統的に整理し、検討する余地は、まだまだ残されていると思われる。
  本稿では、少子高齢化の影響や帰結に対応するとともに、少子高齢化の要因をできる限り排除しその緩和をはかるために、少子高齢化の要因と影響・少子高齢社会における家族の変容を踏まえ、今後の少子高齢社会において住宅計画が対応すべき課題を検討した結果について報告する。また、実験集合住宅NEXT21における居住実験を通じ、その課題に対する対応について検討した結果を報告したい。

 

-少子高齢化の要因と住宅の課題-


  少子高齢社会における住宅の課題について、主に文献調査等により、「少子高齢化の緩和(要因の抑制)」「少子高齢化の帰結や影響への対応」「少子高齢化に伴う家族や世帯の変化への対応」という3つの視点から検討を行った。
 まず少子高齢化の要因だが、少子化の要因は出生率の低下である。一方、高齢化の最も大きな要因は、平均寿命の伸長だと考えられることが多い。しかし、戦後の平均寿命の伸長をもたらした最大の要因は、乳幼児の死亡率の大きな低下である。平均寿命は、死亡率が計算根拠であるが、死亡率の低下は乳幼児の増加にも大きく寄与し、若齢化と高齢化は相殺され、結果として平均寿命の伸長はあまり大きく人口構造に影響を与えないといわれている。それに対し、出生率の低下は、年少人口を減らすことにしかならならず、相対的に高齢化が進む。人口高齢化の最大の要因が、出生率の低下であることは、理論的にも実際の計算上でも、すでに明らかとされている。
 では、その出生率低下の要因についてだが、図1は、1975年、第二次ベビーブームの最終年を基準として、毎年の出生数の減少数を棒グラフに示し、その減少数を減少した理由の割合に応じて色分けをしたものである。90年代以降、75年と比べて、年間の出生数は約70万人も減少しているが、90年頃までは年齢構造・規模変化、つまり、団塊の世代が出産年齢を外れていったことが、大きな要因となっている。しかしその後は、非婚化・晩婚化が要因として大きくなり、さらに90年代後半になると夫婦出生力の低下、つまり子どものいない夫婦が増加していることが要因として増加している。

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