当麻 潔
作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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2012年02月14日 |
当麻 潔
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住まい・生活 |
ライフスタイル |
情報誌CEL (Vol.99) |
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-はじめに-
持続可能な生活・社会の実現には、エネルギー・環境問題の解決が必要である。この問題解決には、規制、制度、技術開発、高効率機器・システム等の導入に加えて、私たち生活者のライフスタイルの変革が重要である。本稿では、エネルギー・文化研究所(CEL)の実践・実証試験を紹介し、エネルギー・環境とライフスタイルについて考察した。また、今回の3・11東日本大震災を受けてのこれからのエネルギーの方向性と課題についても整理した。
-持続可能な生活・社会実現のための課題とあるべき姿・社会-
まず、持続可能性について考えてみる。いろいろな側面があるが、「社会の持続可能性」、「経済の持続可能性」、そして「環境の持続可能性」の3つは一般的によく言われている。また、「文化」も持続可能でなければならない。そして、この4つにつながりがある「エネルギーの持続可能性」も必要である。エネルギーそして環境の持続可能性を実現するための課題について整理すると、まず、「エネルギー・セキュリティ」の問題があり、次に、「地球温暖化」「資源の枯渇」「廃棄物の増大」、そして「自然の破壊・生態系の崩壊」という課題が抽出される。
これらの課題を解決するための施策が検討・推進されている。まず、エネルギー・セキュリティと地球温暖化の課題については、「省エネルギー」「エネルギーの有効利用」そして「再生可能エネルギーの導入」が進められており、低炭素社会の実現を目標としている。2つ目の資源枯渇と廃棄物の増大の課題については、リデュース、リユース、リサイクルの3Rが進められており、循環型社会の実現を目標としている。3つ目の自然破壊・生態系崩壊の課題については、自然と共生できる仕組みづくりが検討されており、自然共生社会の実現を目標としている。これら3つの目標を達成するためには、法や規制、制度、技術開発、高効率機器・システムの導入等だけでは解決せず、課題解決のための共通のキーワードは、「生活者のライフスタイルの変革」であり、まずは、生活者が意識を変え、行動に結びつけることが重要である。