忽那 裕樹
2012年07月10日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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媒体(Vol.) |
備考 |
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2012年07月10日 |
忽那 裕樹 |
エネルギー・環境 |
省エネルギー |
情報誌CEL (Vol.101) |
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最近、耳にしない日がないと言ってもいい「節電」。この夏の課題のひとつである。電力不足の正確な数値の把握にはじまり、スマートメーターなどによる「見える化」、電力消費ピーク時の料金値上げ等々、節電方法についても、色々な情報がメディアをにぎわしている。どこまで神経質に対応しないといけないのか、我慢を伴う節電が、生命の危機にまで及ぶ事態に、警鐘と対策を求める声も上がっている。大丈夫だという楽観論もあるが、3・11以降、いまだ非常事態であるとの認識で、この難局を乗り越えないと次へ進めないのも確かであろう。しかしながら、この夏の「節電」は、とりあえずの対処方法の側面が強く、これからのエネルギーシフトについての議論や、そもそものライフスタイルを考え直していくという、長い目で見た視点に欠けているところもある。そこで、ここでは生活の身近な環境、とくに、屋外環境との関わり方に注目して、省エネにもつながるライフスタイルの姿、そして、その環境づくりについて探ってみたい。
「おそと」へ出かけよう
夏場の電力消費のピークを抑えるのが、当面の課題である。そこで、まず、その時間に屋外環境、すなわち「おそと」へ出かけることを提案したい。単純だが効果は高い。関西電力管内においては、ピーク時のエアコンだけで約400万kWを消費し、全体の13%を占めているという。
家の中にいれば、エアコンだけでなくテレビや他の家電も稼働して、相当な電力消費となる。なので、しばらく避暑地に出かけるのもいいアイディアだ。標高が1000m上がると、条件にもよるが、5?6度気温が下がると言われているのでエアコンいらず。より涼しいところへ出かけることによる節電を、資金と時間のある方々にはお勧めしたい。
より身近な環境において、ピーク時を把握して外出をすることも考えたい。広い部屋の中、1人で冷房は効率が悪い。まず、お出かけすることが大切。行先は大型集客施設でもいいし、近くの公園に行くのもいいだろう。しかし、ショッピングセンターや遊戯施設などはいいが、どうも、公園や広場に出かける理由が見つからない、と言う人が多い。私が編集長をしているウェブマガジン「OSOTO」(http://www.osoto.jp/)では、屋外環境を使いこなす達人を多々紹介しているが、一般にはまだまだ公園や広場を使いこなすメニューや方法が知られていないと感じている。エアコンを切るために外出するのではなく、日ごろから「おそと」を使いこなして楽しみを共有する。そんな豊かなライフスタイルが省エネにつながれば、おのずと持続可能な省エネになるだろう。