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情報誌CEL

栗本 智代

2012年07月10日

まち歩きの愉しみ方 ― 大阪、オルタナティブ・ツアーへの誘い

作成年月日

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研究領域

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媒体(Vol.)

備考

2012年07月10日

栗本 智代

都市・コミュニティ
住まい・生活

地域活性化
まちづくり
ライフスタイル

情報誌CEL (Vol.101)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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ガイドでまちの素顔を紹介する

 余暇や気分転換に、知らないまちを訪れる際、あるいは知っているまちを改めて歩く時、人は何を求めているのだろう。
 旅のかたちが変わってきた。市販のガイドブックに紹介されている名所旧跡を次々に見てカメラにおさめるという、忙しく移動してまわるだけの旅は、ひと昔前のものである。最近では、各人のニーズや目的に応じて、インターネットやツイッターなどで情報を収集し、旅の内容を決めていくことが増えているが、特に、国内の主要な都市で、静かに人気を集めているのがまち歩き、それもガイド付のツアーである。
 ガイドというのは、もちろんプロやボランティアの案内人の場合が多いが、所定のエリアについて細かい情報を掲載した親切なMAPや、地元発のまち歩き指南書も喜ばれている。ガイド付まち歩きツアーは、九州の別府温泉界隈や長崎市内などで開催された”まち歩きイベント”の成功を契機に全国的にブレイクしたようだ。この手法をまさに大阪でも取り入れた結果、今では行政や民間の複数の団体でまち歩きツアーを催行しており、そのコース数はすでに200を超えている。しかも口コミで、着実にファンを増やしている。
 大阪は、長い歴史を持ち、観光や地域振興の資源がたくさん埋蔵されているが、来訪者に対しても地元民にもまだまだアピール度が足りず、タコヤキ、グリコのネオン、お笑い(吉本)、タイガースなどの偏ったイメージのみが浸透しすぎている。あまりにもったいない。
 通り一遍のステレオタイプではない多彩なまちの魅力を紹介することこそ、まち歩き・まち遊びプログラムの使命であろう。既存の観光ルートや常識的な視点では体験することのできないまちの素顔や見どころを、いかに伝え、理解してもらい、味わって感動してもらうかがもてなす側の課題である。それで、新たな興味を持って「面白い!」「また来たい」と喜ぶビジターの顔を見るのが、ひとつの醍醐味となり、また新たなプログラムを生む起動力になる。わがまちを誇りに思う住民が増え、さらにビジターへの人気が増し、結果としてまちで交遊する人により賑わいが生まれる。これがまちの活性化につながる。

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