柴田 巌
2012年11月01日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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2012年11月01日 |
柴田 巌 |
住まい・生活 |
食生活 |
情報誌CEL (Vol.102) |
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インターネットや電話で注文をして、即日や翌日に商品を配達してもらう食品宅配サービス「ネットスーパー」が、ここ数年、利用者層を広げています。オンラインショッピングの一般化などを背景として、生鮮食品の宅配についても抵抗感は少なくなり、今、消費者ニーズはむしろ高まっていると言えそうです。サービスの多様化も進みつつあるネットスーパーの現状について考えてみました。
―即日・翌日の無料配達など利便性向上で利用者拡大―
「夜の12時までに注文すると、翌日夕方までに食料品が自宅に届くんです。仕事や外出で受け取れないときでも、玄関脇の指定した場所に、ちゃんと常温、冷蔵、冷凍の温度別ケースに分けて、カバーを掛けて置かれているので、帰宅すれば早速その食材を使って夕食の支度にかかれます」
こう語るのは、ある百貨店系列の食品宅配サービスを利用している、枚方市在住の新庄由紀子さん(仮名、49歳)。週に1度は利用しているそうで、「生鮮食品やお総菜のほかに、素材の下準備がしてあるお料理のセットも時々活用しています」。
今、こうした食品宅配サービスが、利用者数を急速に増やしていると言われています。これは、インターネットや電話などで、24時間いつでも注文を受け、即日もしくは翌日に自宅まで配達してくれる、いわゆる「ネットスーパー」と総称されるサービス。野菜や肉、魚などの生鮮食品はもちろんのこと、多くの場合、セールの特売品なども、チラシやカタログ、ネットの情報を見ながら注文することができます。
これまでも、生協の個別宅配や有機野菜などの自然派食品の宅配などはありましたが、このネットスーパーでは、より短時間で品物が手元に届くことが一番の特徴。注文の時間帯や混み具合にもよりますが、早いところでは、3時間で店舗から届けてもらえるので、日々の食材を遠くに買いに行けない高齢者や、小さい子どもを持つ母親、仕事で忙しくて買い物時間がない人たちの利用が増加しているそうです。
一定金額以上の購入をすれば配送料が無料になり、たとえ不在時でも指定した場所に置いてもらえる「留め置き」サービスが広がるなど、利便性の向上が普及の大きな要因。時間を気にせずに買い物できることや、お米や飲料など、重いもの、かさ張るものを自分で運ばなくてよいことも重要なポイントで、基本的な食品購入は宅配ですませ、その時々に必要なものはお店で買い足すような使われ方も増えてきたそうです。