弘本 由香里
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2012年11月01日 |
弘本 由香里
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住まい・生活 |
住生活 |
情報誌CEL (Vol.102) |
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―はじめに―
「住まい・生活」に関して生活者が抱える問題、期待する方向、そのギャップを埋める解決策、今後のあり方などを分析・研究するために、当研究所(大阪ガス?エネルギー・文化研究所)では、2005年から「これからの住まいとライフスタイルに関する生活意識調査」を継続して実施してきた。当調査は例年1月に行っており、今年(2012年)の第8回調査には、東日本大震災から10カ月を経た時点での回答が寄せられている。
調査結果の全体像は、今後当研究所のホームページで公開することとなるが、本稿では調査項目の中から、主として高齢期の居住に対する生活者の意識に着目し、その変化を見つめてみたい。
なお、2012年の当調査は1月12日〜1月31日に郵送法により実施したもので、全国の22〜76歳の男女個人を対象とし、標本数は1149(内回収数798)、層化2段階無作為抽出法とエリアサンプリングを併用している。2010年の調査時に、20〜30代の補充を行い、年齢構成を補正している。参考までに、2010年の調査では、回答者のうち20代が18.7%、30代が19.7%、40代が19.6%、50代が20.3%、60代以上が21.7%だったが、2012年の調査では、回答者のうち20代が8.8%、30代が17.8%、40代が21.9%、50代が21.3%、60代以上が30.2%となっている(図1)。調査方法は、2006年・2011年・2012年が郵送法で、2005年・2007年〜2010年は留置記入依頼法である。
また、当調査では、回答者に一人世帯が少ないことや、一戸建比率・持ち家比率が高いことなどの偏りもある。参考までに、総務省統計局による2008年の住宅・土地統計調査では一戸建住宅が55.3%、2010年の国勢調査では持ち家が61.9%である。これに対して、2012年の当調査では、一戸建住宅が77・7%、持ち家が82.0%に達している。回答者の多くが比較的恵まれた居住水準にあると思われる一方で、次項以降で紹介するように将来の住まい・暮らしへの不安が膨らんでいる様子がうかがえる。