山下 満智子
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2012年11月01日 |
山下 満智子
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住まい・生活 |
食生活 |
情報誌CEL (Vol.102) |
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―はじめに―
大阪ガスでは、グループ会社のアプリーティセサモの協力を得て、宮城県の仮設住宅で開催される料理教室を支援するためのチャリティ料理講習会(Lesson for Two)を2012年1月から試行している。月1回開催するチャリティ料理講習会は、大阪ガスクッキングスクール淀屋橋を会場に、料理講習会費とは別に、仮設住宅料理教室支援費用として1回につき500円を参加者に募金していただいている。
宮城県での仮設住宅料理教室は、昨年9月から1年間で18回開催され、のべ400名が参加した。一方、大阪でのチャリティ料理講習会は、1月から6回開催し、のべ180人が参加した。宮城と大阪の間で、料理を通じたコミュニケーションが続いている。
―東日本大震災500日―
東日本大震災後500日の今年7月22日、朝日新聞の大見出しに「復興住宅着工まだ1% 仮設生活なお27万人」とあった(ASAHI SHINBUN INTERNATIONAL EDITION)。記事によると、すべての災害公営住宅の完成は、岩手県、宮城県ともに2015年度末の予定で、仮設住宅の居住期間(3年)が終わる14年度までに岩手県で532戸、宮城県で約6200戸の建設が間に合わないという。さらに福島県では、東京電力福島第一原子力発電所の事故による県外避難者の意向が把握できておらず、7000から8000戸が必要と見込まれる復興住宅の完成時期は、原発事故収束状況に左右されるので未定とされる。仮住まいを余儀なくされている方がまだ27万人もおられ、公営住宅の見通しもまだ立っていないというのだ。
―仮設住宅料理教室スタート―
昨年9月5日、震災から6カ月を前にようやく入居が始まったばかりの仙台市太白区の仮設住宅「あすと長町仮設住宅」で河合伸子さん(しらはぎ料理学校校長・仙台市ガス局料理講師)が料理教室を始めた。あすと長町仮設住宅には、津波による大きな被害で家を失った沿岸地域の荒浜や福室地区の人たちが入居する。
河合さんが、被災者のために何かしたいと考えたのは震災後一カ月たった4月、そして仮設住宅で料理教室を行うことを決めて8月には仙台市の震災復興室を訪ね、あすと長町仮設住宅事務所と相談するなど料理教室開催に向けてボランティア登録をして準備をしてきた。