太田 順一
2012年11月01日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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2012年11月01日 |
太田 順一 |
エネルギー・環境 |
地球環境 |
情報誌CEL (Vol.102) |
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6月のある平日の朝。出社する人たちが足早にビルのなかへと駆け込む8時10分――「新・里山」では10人ほどの人たちが素足になって水を張った田んぼに入ろうとしていた。これから30 分間、始業前に田植えをしようというのだ。子どものような歓声があがる。
「うわぁ、このにゅるっとした泥の感触、気持ちいい」「あ、カエル!」
ボランティア組織「新梅田シティ里山くらぶ」のメンバーたちだ。新梅田シティのオフィスワーカーたちが企業の枠をこえて参加している。米づくりは刈り取り、脱穀までをおこない、他に野菜づくりや雑木林の下草刈りなど里山保全の活動も。
「田植えは初めて。想像していたよりも楽しいです」「これからまだ仕事がある、そんなことも忘れて熱中してしまいます」
学校の部活の“朝練”みたいなノリである。
職場のすぐそばに里山があるからこそ、短い時間で手軽に自然を満喫し農作業を楽しむことができる。そのうえ、よその会社の人たちとも交流ができる。願ってもない環境、そして価値あるクラブ活動だ。
積水ハウスCSR 室の信田由加里さん(30)は、「里山くらぶ」の担当をするようになって人とのつながりが広がり、自身のものの見方も変わったという。
「前は、単にそこに植わっているものだったんですね、稲が。でも自分で田植えをしてみると愛着が生まれて、生育が気になって仕方なくなるんです」