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情報誌CEL

荒木 秀夫

2013年03月01日

「生活技術」を支えるコオーディネーション運動

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2013年03月01日

荒木 秀夫

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情報誌CEL (Vol.103)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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最近、様々なスポーツや健康運動分野で、コ(オ)ーディネーショントレーニングと称した教室が盛んに行われるようになりました。このコ(オ)ーディネーショントレーニングは、実は、特定のトレーニングを指すのかというと、必ずしもそうではなく、もともとは体力の要素に含まれるものから、敏捷性を高めるトレーニングであったり、スポーツの技術、技能を身につけるトレーニングであったりと、様々な意味で使われています。
 諸外国でも、特有の、または一般的な意味で
 coordination”という用語が使われ、学問的分野としても認知科学、工学などでも見受けられます。いずれにしても、コ(オ)ーディネーションという用語は、統合、総合、融合などをイメージできることから、多少なりとも多くの要素を組み合わせるという意味であることには間違いありません。私は、このような広範な意味で使う場合を、コーディネーション(coordination)とし、私自身が実践している理論をコオーディネーション(co-ordination)として使い分けています。本稿では、コオーディネーション運動と、人間の生きる「術(すべ)」との関連について触れることにします。


―身体技法と科学をつなぐコオーディネーション理論―
コオーディネーション理論のことをまとめてみます。その源泉の一つとして、私が注目したのは、20世紀初頭に、ドイツ医学で用いられていた概念です。その時代における医学は現代医学に比べると進んでいないのは当然ですが、一方で、思想的には重要な内容が含まれ、人間の運動や身体をどう考えるのかといった点で大変意義深いものがあります。同じころ、医学の分野以外にも、ヨーロッパでは教育学や身体訓練などといった、少なくとも人間に関する多くの領域で優れた身体技法が盛んに提唱されていた時代でもありました。それらの中には、今日でも医療・リハビリ、教育などに大きく貢献している理論があります。注目すべきことは、そのころに提唱された医学、身体技法が、今日の脳科学で、それらの妥当性が実証されつつあることです。私のコオーディネーションの発想は、その身体技法と現代の脳・認知・運動の科学の接点から得たものです。

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