小室 淑恵
2013年07月01日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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備考 |
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2013年07月01日 |
小室 淑恵 |
住まい・生活 |
ライフスタイル |
情報誌CEL (Vol.104) |
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成果を出し続ける秘訣
余暇を楽しむために必要なのが、どのように余暇を作り出すかということ。
チームで協力することで、時間だけではなく精神的なゆとりも手に入れる――
そんな働き方が、今注目されている。
仕事と余暇が相乗効果で双方が充実する「ワーク・ライフバランス」の考えかたを通して、時間に対する意識を見直してみよう。
今求められる「ワーク・ライフバランス」
皆さんは、ワーク・ライフバランス(以下、WLB)という言葉から、どのような考え方を連想されますか?「天秤がつりあうように仕事とプライベートの『バランスをとる』という考え方」や「『ゆとり』をもってゆったりと働くこと」など様々な捉え方がありますが、実はいずれも本来の意味とは少し違います。
WLBとは、「私生活の充実により仕事がうまく進み」「仕事がうまくいくことで私生活もうるおう」という「仕事と生活の相乗効果を高める考え方と取り組み」全般を指します。仕事において高い付加価値を提供し、成果を上げるためには、広い視野や知識・スキル・人脈が必要で、それらは仕事以外の場で身につくことがほとんどです。つまり仕事以外の場を大切にすることで、むしろ短時間で仕事の成果を上げることができるようになるのです。
WLBは、どちらかをないがしろにして成り立っているものではなく、双方をうまく調和させ相乗効果を及ぼし合う好循環を生み出すことが本来の目的といえるのです。ワーク・ライフ「シナジー」という言葉のほうがぴったり来るかもしれません。
しかし今、多くの日本人は私生活を犠牲にして残業や休日出勤、家族や友人、恋人と一緒に過ごす十分な時間を取れないうえに自分の時間もほとんどない状態です。一度「ライフ」の時間に目を向け、仕事で成果を出しながら人生をより豊かに過ごすための第一歩を踏み出しましょう。
時間が足りなくなる将来に向けて
また、今後5〜10年で到来する「大介護時代」によって、介護と仕事を両立するための時間も考えねばなりません。私はこれを「もう1つの2007年問題」と呼んでいます。