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CEL編集室

2013年07月01日

おわりに:「本暇」的時間を生きるために 余暇を読むための10冊

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2013年07月01日

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情報誌CEL (Vol.104)

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これまでさまざまな余暇の形、時間の活用法を見てきた。余暇の楽しみかたから、時間と場所を人とシェアする活動、自分のための自由になる時間の作りかた……こうした事例と知見を、いかにして個々の人生に活かすことができるか。編集部としての提案をまとめた。

本暇的時間を支える4つの相乗効果 ――シナジー

本特集「余暇から本暇へ」の各記事を通観するなかで、我々は全体に共通するひとつの可能性を見出した。それは、社会的な役割を果たすことで楽しみを得る、あるいは自分のしたいことをしながらその楽しみを社会に還元できる、そのような状態が、従来の余暇(=仕事以外の余った時間)という概念を超えた、「本暇」的時間と言えるのでは、ということである。言い換えるならば、本暇的時間のひとつのありかたは、社会的な役割と自分のしたいことから得られる満足が、バランスよく融合した状態、という可能性である。
それは、公と私の相乗効果(シナジー)が得られた状態とも言えるが、各記事をもとにさらに詳しく検討・整理していくと、そのシナジーには、大きく分けて次の4つのパターンがあるように思われた。

相乗効果 一、 : 時間を軸にしたシナジー

仕事(=公の時間)と個人(=私の時間)のシナジーである。公・私の時間、双方が充実すれば両方がうまく回るようになる。この実現のためには、一種の「チーム・アクション」による働きかたが有効と思われる。小室淑恵氏の論考「チーム力で時間を生み出そう」に書かれている、「仕事の時間=ワーク」をチームでシェアすることで「自分の時間=ライフ」を創りだすというワーク・ライフバランスの実現方法は、今後の働きかたを考えるうえで重要な指針である。

相乗効果 二、 : 能力(技能)を軸にしたシナジー

収入を得ること(≒公のために能力を使うこと)と、生きがい(≒個人のために能力を使うこと)のシナジーである。本暇的時間は、場合によっては金銭を超えた相互扶助によってもたらされることも多い。このことは、「職業を通じて培ったスキルや知識」(『プロボノ』嵯峨生馬著、勁草書房、25頁)を社会に還元していく「プロボノ」などの例に見られる。金銭とは異なる価値にやりがいや生きがいを感じる生きかたが、すでにいろいろなところで始まっているのである。相手のためになることで、金銭に還元できない「幸せ」を得る人が増えているとも言える。

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