志波 徹
作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
カテゴリー |
媒体(Vol.) |
備考 |
---|---|---|---|---|---|
2013年07月01日 |
志波 徹
|
エネルギー・環境 |
エネルギー・ライフスタイル |
情報誌CEL (Vol.104) |
ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。
情報誌CEL103号で報じた、省エネルギーに関するライフスタイル研究の第2報。
今号ではさらなる分析をもとに、生活者の省エネ意識と行動について深く探る。
アンケート結果をもとにした分析
暖房機器とその使用理由
前号にて、「生活者の省エネルギーに関する意識や行動の調査」の結果の一部を報じた。この調査は、昨年11〜12月初旬、本格的に暖房機を使用する前に実施した。この冬使用する予定の暖房機について尋ねた結果を、Chart 1に示す。電気こたつ、石油ファンヒーター、電気カーペットが1〜3位を占めている。
さらに、それらの機器を使用する理由について尋ね、第1位の使用理由で分類した結果もChart 1に記載した。回答の選択肢には「もともと持っていた」というものがあり、それが第1位の理由になっている機器もあったが、積極的な選択理由ではないので省いている。
これによると、電気の暖房機は「手軽さ」で選択されており、ガスや石油の暖房機は、「暖房感」を重視して選択されている。「安全性」についても電気ヒートポンプエアコンや電気オイルヒーターは第2位の選択理由になっており、消費者が暖房機を選ぶ基準は、「空気を汚さない」を含めた4つが代表的なものと言える。
ところで、Chart 1のなかで、太字で示した機器は、電熱ヒーターによる暖房機である。これらは、手軽に使える機器であるが、省エネの観点からは、一次エネルギーベースの効率が約36%を超えることはないため、エネルギー効率が悪い。相応にランニングコストもかかるので、主たる暖房機としては使用を控えたい機器である。しかし、電気こたつや電気カーペットは、体と接する部分が暖かくなるので、部屋全体を暖める必要がなく、エネルギーが少なくてすむと考えて積極的に使用する家庭もあると考えられる。つまり、補助暖房として局所的に使用するなど、上手に使っている可能性がある。同様に石油ファンヒーターも、消費電力が少ない暖房機として使用している場合もあると考えられ、使用状況を含む追加調査を、次の機会に行っていきたい。
クラスター分析による省エネ意向の分類
次に、似た傾向を持つ回答者をグルーピングすることを試みた。省エネや購買行動等に関する設問を使用し、非階層クラスター分析を行った。設問と回答傾向、男女比、年齢構成をChart 2に示す。なお、表中の設問や回答傾向は誌面に限りがあるため、多少単純化して示している。
表のうち、「◯」は、その設問に対する回答傾向が肯定的、「×」は否定的、「△」は比較的中立であることを示している。
分析を行い、調査対象を6つのグループに分けた。