三島 順子
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2014年07月01日 |
三島 順子
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住まい・生活 |
ライフスタイル |
情報誌CEL (Vol.107) |
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「2013年度生活者の意識と行動」調査より
大阪ガス(株)エネルギー・文化研究所が毎年実施している「生活者の意識と行動」アンケート。従来の「性別」と「年齢層」で区切った分析では見えづらいような価値観の多様化が現代では進んでいるのではないか――。「ライフ・ステージ分析」から現代を生きる人びとの考えかたが見えてきた。
はじめに
社会や暮らしが高速化、複雑化し、個人の価値観が多様化しているといわれて久しい。では、どのような変化なのか、その実態をありのまま捉えるべく、当研究所の生活者意識調査をリニューアルした。
新分析軸の検討と試行 ライフ・ステージによるアプローチ
価値観の多様化とは従来の「性×年代」別(男女別、年齢別)分析では、実像を捉えづらくなることかもしれない。そこで「性別」、「年齢」以外に意識と行動を決定する要素は「配偶者」「子ども」「仕事」の有無の3点と仮定した。国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」(2013年1月推計)によると、1980年と比較すると、複数世代同居家族や核家族などの家族で住む世帯は減少し、現在全体の5割弱である。一方、単身世帯と夫婦のみ世帯は、各々13ポイント、7ポイント増加し、両者で現在過半数である。 調査では配偶者、子ども、仕事の有無を問い、大きく7つ、詳細には17の「ライフ・ステージ(以下、LS)」(人生を入学・就職・結婚・退職等人生の節目ごとで区切ること)に分類、LSごとに結果を分析し、価値観の多様化を捉えてみることにした。今回使用するLSはChart 2の通りである。
関心事について
「社会的なこと、身の回りのこと」について尋ねた。「最も関心のあること」「2番目に関心のあること」を各々2点ずつ、最大4点を回答することができる(以下、関心事)。
自由記述式では回答が多岐にわたるため、類似の回答を集約、分析する。例えば「車」「自動車」を「自動車」に、「貯金」「投資」を「資産関連」になどである。一方、受験・就職・結婚など幅広い年齢にわたるものは「子ども」としてくくり、対象が乳幼児・小児期に限られる「子育て」(育児・妊娠などを含む)とは別ものとした。