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情報誌CEL

甲賀 雅章

2014年11月01日

コラム「衣食住遊」 程よい加減

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2014年11月01日

甲賀 雅章

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情報誌CEL (Vol.108)

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遊とは実に意味の深い言葉である。後先にくる一文字で、がらりとそのニュアンスを変えてしまう怖い文字でもある。同時に、私たちにとって生活を彩るために欠かせない行為であり要素であることも確かだ。ある男の、この男の女遊びというか、たしなみは、女性たちから言わせれば、かなりひどいものだが、違う角度から見れば魅力的でもあるのだ。また、この男の妻が巧いことを言う。病気なら治しようもあるけど、癖はなかなか直らないのよね。名言だ。
それはさておき、元来遊びというものは、ストレスが溜まらない。むしろストレスを軽減してくれるもののはずである。ところが、これは度を越し始めると、むしろストレスの原因にもなり始める。だから、私は何事もほどほどにしている。まあ、自分の飽き性分をごまかす言葉でもあるのだが。先ほどの話ではないが、ほどほどにしておかないと、ひどい目に遭う。遊び上手というのは、この程よい加減を心得ている人のことをいうのではないだろうか。引き際が実にキレイである。未練を残さない。そして、相手を嫌な思いにさせない。だからこそ、問題も起こらない。遊びは度を越すと、様々な関係性を壊しかねない。これは、誰しもが肝に銘じておく必要がある。決して、私の教訓からモノ申している訳ではない。
さて、私は自遊人を気取り、名刺の肩書きに使っていた時代がある。職業とか立場で自分を語るのが嫌になってきた頃だ。しかし、これは、あまりにも格好つけすぎたのか、不評であった。それ以後は創造人と言ってみたりしたが、結局はプロデューサーに落ち着いてしまった。クリエイターが一番しっくりくるのだが、何か衒うようで、照れがある。まあ、今回はご愛敬ということで。
「人は遊びの中で完全に人である」これはフリードリッヒ・シラーの著書『人間の美的教育について』の一節であるが、う〜ん、なるほど。賛同できる。キールホフナーは人間の作業モデルを三つに分けている。日常生活、遊び、仕事。遊びが、人の心を満足させるために必要なものだとすれば、スターバックスのコンセプトである「Third Place」は実に巧いマーケティングである。

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