CEL編集室
2015年11月02日作成年月日 |
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2015年11月02日 |
CEL編集室 |
住まい・生活 |
ライフスタイル |
情報誌CEL (Vol.111) |
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近年、企業がインターネットを介して不特定多数の人に業務を委託する「クラウドソーシング」が注目されている。業務を受託する個人に対し場所や時間にとらわれない仕事を可能にするクラウドソーシングは、私たちの働き方や生活をどのように変えていくのだろうか?サービスを提供するクラウドワークスの代表吉田社長と、同社に登録する働き手の方にお話をうかがった。
ネットでやりとりされる個人のスキルと時間
「ちょっと時間ができたから、新しい仕事をしよう」「自信がついてきたから仕事を増やそう!」
毎日、業務に追われている人にとって、一度は言ってみたい台詞ではないだろうか。しかし、クラウドソーシングなら、それは当たり前だ。いつ、どんな仕事をどのくらいやるか?決めるのは、どんな場合でも自分なのだ。
クラウドソーシングとは、インターネットの向こう側にいる不特定多数の人々(クラウド=群衆)に業務を委託(アウトソーシング)すること。仕事を発注する企業から見れば、アルバイトやパート、派遣に代わる新たな雇用形態になり、受注する個人から見れば、インターネットを介すことで、企業に所属しなくても継続的に仕事を行える仕組みとなる。
クラウドソーシング・サービスで日本最大級の(株)クラウドワークスを見ると、すぐにそれが単なる仕事の紹介や募集にとどまらないものであることに気づく。同社の吉田浩一郎代表取締役社長兼CEOは、それを「ネットオークションのように、個人のスキルや時間がやりとりされている」と表現する。「誰がどんな仕事をどのくらいやり、どんな評価を受けてきたのか?個人がネット上に蓄積してきた信用データがあるからこそ、これまで難しかった『企業に所属していない個人』にも仕事を任せられるんです」
クラウドソーシングの利点と課題
クラウドソーシングなら、65歳で定年退職しても「ただの人」になることはない。就職先という会社の「肩書き」は失っても、自分のスキルや経験がびっしりと書かれた「履歴書」が、ネット上にあるからだ。
クラウドワークスで iPhone アプリ開発の仕事などを受注する川崎市のエンジニア、turntable さん(仮名)もそんな「退職後フリーランス」のひとり。「クライアントとの関係がオープンで、仕事のプロセスもウェブ上で目に見えるのがよい。九州や大阪のクライアントともお仕事ができました。まるで専属の営業マンがいてくれるようなもの」と、そのメリットを強調する。