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情報誌CEL

野波 健蔵

2015年11月02日

ドローンが拓く未来

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2015年11月02日

野波 健蔵

都市・コミュニティ
住まい・生活

コミュニティ・デザイン
まちづくり
その他

情報誌CEL (Vol.111)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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首相官邸への落下事件など何かと騒がしいドローン。しかし、先端技術の粋であるドローンの活用は、私たちの生活を劇的に変え、新たな産業を生み出す可能性をもつ。日本におけるドローンの第一人者に、ドローンが生まれた経緯から現状の課題、そしてドローンが拓く未来について伺った。

軍事目的から一般利用へ

「ドローン(drone)」という言葉が生まれたのは第二次世界大戦が始まる前、1935年頃のことです。戦争の形が陸上戦から空中戦へと変わりつつあった当時、イギリスの海軍がつくったのが「クイーンビー(女王蜂)」という無人機でした。パイロットが射撃訓練をする際の標的機として開発されたものです。そのデモ飛行の場に招待されたアメリカ海軍の人が、ちょうどこちらも同じようなものを開発中だから、こちらはドローン(雄バチ)と名付けましょう、と言ったのが名前の由来とされています。ドローンとは蜂の羽音を指す言葉でもあり、今の小さなドローンもそばで飛んでいるとブーンという音がしますが、当時のプロペラ機が高さ1000mぐらいを飛んでいるのを地上で聞いても、蜂の羽音のように聞こえたこともあるのでしょう。
こうした背景からもおわかりのとおり、ドローンはずっと軍事目的でつくられていました。転機となったのは、2010年です。フランスのパロット社がスマートフォンでコントロールできる室内用の大人向け玩具「ARドローン」を発売しました。空中で静止したまま飛行するホバリングができたり、壁に近づくと手前で止まるしくみを備えており、飛ぶように売れました。軍事用ではなくホビー用、つまり民生用のドローンが初めて誕生したわけです。
2年後の2012年には、中国のDJIという会社から「ファントム」が発売されます。これもホビー用ドローンで、首相官邸に落ちたのと同じ機種ですが、大変な人気となり、第2弾、第3弾が続々発売され、世界市場の7割を占める大ヒット商品になりました。
販売台数は3シリーズ累計で約100万台、うち約5万台が日本に入っていると推定されています。
リモコンで人が操作する無線操縦と違い、ドローンはコンピュータ制御によって飛行するため、うまく飛ばすことが目的ではありません。ではなぜこんなにヒットしたかというと、搭載された高性能なカメラによって、今までわれわれが見たこともない映像が届けられたことが大きいでしょう。

 

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