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−日本のデザインを100年以上学び続けたデンマーク

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情報誌CEL

ミリヤム・ゲルファー=ヨルゲンセン

2018年07月01日

「Learning from Japan」展
−日本のデザインを100年以上学び続けたデンマーク

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2018年07月01日

ミリヤム・ゲルファー=ヨルゲンセン

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情報誌CEL (Vol.119)

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2015年からデザインミュージアム・デンマークで開催され注目を集める「Learning from Japan」展。日本とデンマークの結びつきの歴史をたどる企画展である。
観客を驚かせるのは、世界中で評価が高いデンマークデザインの源流が日本にあったということだ。
本展を企画したミリヤム・ゲルファー=ヨルゲンセン氏に、展覧会の内容をもとに、過去と未来、内と外の文化的交流のあり方を論じていただく。

展覧会開催の背景

拙著『デンマークの芸術とデザインに見る日本の影響 1870〜2010(Influences from Japanin Danish Artand Design1870-2010)』(The Danish Architectural Press, 2013)が出版された2年後の2015年、デザインミュージアム・デンマークにて「Learning from Japan」展が開催された。ミュージアムの所蔵品である興味深い新旧の日本美術のコレクションには、20世紀のシンプルな伝統工芸品も含まれ、その多くは未公開のものだった。私はかつての同僚から同美術館において拙著に基づいた展覧会の展示企画を依頼された。この展覧会における主たるテーマは、これまでのミュージアムの館長がどのようにして日本の芸術作品を収集したかということ、そして、古いものや特に現代の作品コレクションが、現代的なデザインとどのように共存し続けるべきかを示すことにあった。写真やウェブで見るよりは、直接手に取ることができる実物の方が、アーティストやデザイナー、研究者により多くのインスピレーションや新たなアイディアを与えうることは疑いの余地がない。現代のデザイナーにひらめきを与えることが、デザインミュージアムの使命なのだ。展覧会では、書籍や画像資料も含め、ミュージアムの収蔵品から日本とデンマークにまつわるコレクション400点以上が展示された。ミュージアムではこれまでの125年間、デンマークの装飾芸術やデザイン作品を多数収集してきたが、そのコレクションの大部分で日本美術から影響を受けた作品を見出すことができる。元となった日本の作品とそこから生まれたデンマークの手工芸品とを並べて展示することで、デンマークのアーティストやデザイナーが受けたインスピレーションの源泉を示すことができた。展覧会はデザインミュージアム・デンマークの創立125周年記念行事の一環として開催され、また、2017年には、日本とデンマークの通商150周年記念行事となった。2015年の開催以来、予想以上の入場者で賑わい、開催期間は延長され、現在も続いている。訪れた人たちの多くは、デンマークの有名な手工芸品やデザインが、日本の芸術や工芸品と密接な関係を持つことに驚いた。

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