遠座 俊明
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2020年07月01日 |
遠座 俊明
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都市・コミュニティ |
コミュニティ・デザイン |
情報誌CEL (Vol.125) |
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活力ある長寿社会への挑戦
「高齢社会2030を考える会」が拓く地平
65歳以上人口が4割を占め、単身世帯とその予備軍の2人世帯で全世帯の約7割に達する空前の少子高齢社会で新しい”縁„や”かかわり合い„を生み出していくために、今取り組むべきことは何か。
大阪ガス(株)エネルギー・文化研究所(CEL)は、その道のりへのヒントを探るべく、「高齢社会2030を考える会」を開催し、第1回から第3回までの内容を本誌で紹介してきた。
今号では第4回と第5回の内容を紹介するとともに、全体を振り返りたい。
第4回
自治体と市民の新たなチャレンジ
第4回は、それまでとは趣向を変え、市民や自治体が先駆的に行っている地域課題解決活動について活動者自身が語っていった。
まず、大東市のNPO法人理事長・吉村悦子氏から、有償ボランティアが要支援高齢者宅で行う介護保険外生活サポート事業の紹介があった。サポーターは①徒歩10分以内で行けるところで、②自分の空いている時に30分単位で働ける。また③相性の良くない人のところへは行かずともよく、④男性宅には男性を行かせて”男だから家事をしない„という考え方を払拭してもらった。さらには、⑤サポーターの多くが同年代なので利用者側が”それなら自分でするよ„という自立心が喚起されやすかったという。
続いて、筆者が宝塚市と協働で進めている高齢者向け「健康・生きがい就労トライアル」事業について、宝塚市の守川武広氏と就労者受け入れ事業所の赤井祐氏、それに筆者と、それぞれの立場で話をした。①”自分の健康と生きがいづくり+小遣い稼ぎ&社会貢献„という生活者目線での訴求力、②安心して市民が参加できる”自治体主催„の枠組み、③未経験者でも可能な、直接の介護ではない周辺業務の提示、④1日2時間、週1回から可能なプチタイム就労、⑤まずは3カ月お試しトライアルなどの工夫により、今までいくら求人しても人が来なかった介護施設に年2回の募集で70人もの応募があったことが報告された。