山谷 剛史
2021年11月01日作成年月日 |
執筆者名 |
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2021年11月01日 |
山谷 剛史 |
住まい・生活 |
ライフスタイル |
情報誌CEL (Vol.129) |
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習近平指導部による指導のもと、ここ5年ほどの間にデジタル国家として飛躍的成長を遂げた中国。
膨大な数のインターネット利用を背景に、社会のあらゆる層で進む次世代情報革命は、そのあまりのスピードゆえに、情報利用の面で様々な“格差”を生み出しかねない。
ガバナンス強化のねらいも含め、現地ではどのように格差の改善をはかろうとしているのか。
デジタルデバイドとしての高齢者問題に直面する日本にも範とし得る、その実情をレポートする。
利用者10億、急拡大したデジタルサービス
中国は日本よりも先をいくデジタル社会を構築している。2021年6月末の時点で中国のインターネット利用者は10億人を少し超えた程度で、インターネット普及率は71.6%となっている(CNNIC[*1]調べ)。日本のインターネット利用率は89.8%(令和2年版情報通信白書)なので、普及率では上回っているものの、実際に中国でインターネットがより活用されているのは否めない。
街中をざっと見るだけでも大きな違いがある。中国への渡航経験者であれば、例えばキャッシュレスや、シェア(電動)サイクルや、シェアモバイルバッテリースタンド、フードデリバリーのデリバリースタッフと至るところで出会い、驚いたことだろう。配車アプリを活用したサービスも普及し活用されている。昨今日本でもそれぞれのサービスを見るようになったが、日本よりも遥かに早くこうしたサービスが一気に広がり密になった。どこにでもあることでサービスが認知され、口コミで急速に広まった。
スマートフォン普及当初はサムスンやソニーなどのスマートフォンも出ていたが、シャオミやOPPOやファーウェイといったスマートフォンメーカーが台頭し、iPhoneを除けば誰もが中国製のスマートフォンを所有するまでになった。しかもシャオミやファーウェイはさらに、大手からベンチャーまで大小様々な家電企業と連携して、アプリから対応家電を操作するスマート家電のラインアップを拡充している。
注
*1 China Internet Network Information Center 中国互連網絡信息中心。インターネットのドメインレジストリ業務や管理を行う政府機関。中国国内のネットサービスを監督・把握している。