前田 章雄
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2023年03月01日 |
前田 章雄
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住まい・生活 |
ライフスタイル |
情報誌CEL (Vol.132) |
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これまでの日本は、効率化を求めてたゆまぬ努力を続け、社会を発展させてきた。しかし、発展の陰で大事な「なにか」忘れられてしまってはいないだろうか。
これからの社会を考えるうえで、「発想の起点に『NEWLD思考』を据えてから始めよう」という新たな提言をしてみたい。
CELサロンで気づかされた視点を変える重要性
ダイバーシティの本質とは
第11回CELサロンを2022年9月6日に開催した。テーマは「エネルギー大変革へのパラダイムシフト 〜新たな発想を得るために」である。
カーボン・ニュートラルをはじめとして、さまざまなシーンで変革を迫られている私たちは、どのような視点でものごとを捉え、いま起きている事象の本質をつかむべきなのか?
これからの時代を乗り切る思考法を探る目的で、オンライン視聴を含め総勢100余名が参加した。
ゲストの江田健二氏(RAUL株式会社代表取締役社長)は、サロン冒頭で次のように主張した。
「心の『ざわつき』や『ひっかかり』を言語化してみよう!」
ある情報にふれたとき、賛成でも反対でも疑問でも、心のなかで生まれたなんらかの感覚をそのままにせず、なにかしら言葉にしてみよう、というものである。
言葉にするということは、とても大事だ。ぼんやりとした感覚を自分なりに整理できるようになる。なにより、言語化することで人に伝えて議論できるようになる。
与えられた情報を鵜呑みにするのではなく、そこに「自分なりの解釈」をもち、さらに言語化することで、他者との対話を通じてより広い意見を取り入れる。知と知の組み合わせによって、より高度な思考へ昇華させていく。
同じ性別、同じ年齢層、同じ組織、同じ経験、同じような価値観。そういった同質性から脱却した多様な意見を身近におくこと、これがダイバーシティである。
だが、せっかく多様な意見にふれても、それを受け入れる受容性がなければ意味がない。違いを認め、いったん受け入れてから思考を深めていく。これがインクルージョンだ。
こうした多様性と受容性を実現させていくためには、各個人の「自分なりの解釈」が言語化されていなければ、前には進まない。まずは言語化してみる。これがダイバーシティ&インクルージョンの本質なのかもしれない。