栗本 智代
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2024年03月01日 |
栗本 智代
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都市・コミュニティ |
まちづくり |
情報誌CEL (Vol.134) |
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地域の歴史や文化をストーリー仕立てにして、語り(朗読)と映像、そして音楽の生演奏などを交えた独自の演出で紹介する「語りべシアター」。今回は、「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪2023」という日本最大級の建築イベントのなかで開催した公演について報告する。
イケフェス大阪2023の公式プログラムとして実施
大阪では毎年秋に、「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪」(通称、イケフェス大阪)が開催されている。イケフェス大阪は、大阪のまちをひとつの大きなミュージアムと捉え、そこに存在する"生きた建築"を通して見えてくる、多様で豊かな都市の物語性を大阪の新しい魅力として創造・発信しようとする取り組みである。2013年度から実証実験を経て立ち上がり、日本最大級の建築イベントとなった。2023年は10回目として、10月28日、29日に開催された。[*1]
2022年の同イベント開催時には、連携プログラムとして「語りべシアター」も参画し、"御堂筋"をテーマにした作品を上演した。非常に好評で、来場者の過半数は「語りべシアター」を初めて体験されたという方であったため、新しいお客さまの開拓にも絶好の機会となった。そのため、2023年も引き続き参画したいと考え、「大阪ガスビルディング」(以下、ガスビル)の建物公開展示の一環で、公式プログラムとして位置づけしてもらうと同時に、作品テーマも、イケフェス大阪を意識した題材を新たに掘り起こすことにした。それが、ガスビルを設計した"安井武雄"という建築家に焦点を当てた物語である。
「ガスビル」は、Daigasグループの自社ビルだが、建築について専門の勉強をしてこなかった筆者でも、入社時から、その外観や1階のエレベーターホールの雰囲気で何となく"モダンな建物だなぁ"と感じていた。だが、具体的に、どんなセンスを持つ建築家がどのような思いで設計したのか、なぜ高い評価を得ているのかなど、ほとんど知る機会がなく、いつか調べたいと思っていた。また社員はもちろん多くの方にわかりやすく周知すべきだと思った。
[*1]生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪10th https://ikenchiku.jp/ikefes2023/