川地 真史
石塚 理華
富樫 重太
作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
カテゴリー |
媒体(Vol.) |
備考 |
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2024年09月01日 |
川地 真史 |
都市・コミュニティ |
コミュニティ・デザイン |
情報誌CEL (Vol.135) |
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真の「場づくり」とは、単に居場所を設ければいいわけではない。人が集まり、互いに話し、関係性を豊かにするなかで、住民が当事者意識を持って地域の課題を解決する――そうした活きた場づくりをデザインの視点から取り組む際、イタリアのデザイン研究者エツィオ・マンズィーニの思想は起点のひとつとなるだろう。その考えに強く共鳴し、企業・自治体・共同体と多様な実験を共創する(一社)公共とデザインの共同経営者である川地真史氏、石塚理華氏、富樫重太氏に、場づくりから始まるソーシャルデザインと新しい民主主義の形、それを生み出す考え方や実践の方法などについて、幅広く語っていただいた。
――川地さん、石塚さん、富樫さんは、共同経営する「公共とデザイン」で、東京都では渋谷区とのソーシャルイノベーションラボ立ち上げの伴走、働きやすい職場環境づくりを目的とした京都府亀岡市と地域企業を交えての共創、また「産む」にまつわる価値観・選択肢を問い直す展示活動「産まみ[む]めも」など、さまざまなプロジェクトに取り組んでこられています。
そんな皆さんの共著である『クリエイティブデモクラシー』(2023年、ビー・エヌ・エヌ)では、「デザインがもたらす社会的な影響に着目し実践する先人」としてエツィオ・マンズィーニ[*1]を紹介。彼が提唱する「プロジェクト駆動民主主義」の思想について、大きく紹介しておられますね。今日はマンズィーニの思想に触れつつ、皆さんのお考えやこれまでの活動をお話しいただきたいと思います。
川地 僕は当初、ブログに「海外の公共セクターにおけるデザインの事例と可能性」といった記事を書いていたのですが、富樫さんとはそのブログを通して知り合いました。
[*1]イタリアのデザイン研究者。ミラノ工科大学名誉教授。ソーシャルイノベーションとサステナビリティのためのデザインに関するリーダーとして、これまでにバルセロナのエリサバデザインスクールアンドエンジニアリングや、ロンドン芸術大学など世界各地の大学で教鞭を執る。主な著書に『日々の政治ソーシャルイノベーションをもたらすデザイン文化』や『ここちよい近さがまちを変える ケアとデジタルによる近接のデザイン』(2023年、Xデザイン出版)、『Design,When Everybody Designs』などがある。