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情報誌CEL

西川 正

2024年09月01日

「お客様」から「当事者」になること −遊びからつながり、対話から自治が生まれる

作成年月日

執筆者名

研究領域

カテゴリー

媒体(Vol.)

備考

2024年09月01日

西川 正

都市・コミュニティ
住まい・生活

コミュニティ・デザイン
地域活性化
ライフスタイル

情報誌CEL (Vol.135)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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公園や図書館などの公共空間、保育・介護などの社会福祉事業が「サービスの場」と捉えられるようになって久しい。いつのまにか私たちは「お客様」でいることが当たり前になり、社会をつくる当事者だという意識が薄れてきてはいないだろうか。
そんな「お客様」化した社会に疑問を呈し、人と人が自然と出会い、共に遊び・学びあう場づくりを行ってきたのが『あそびの生まれる場所 ――「お客様」時代の公共マネジメント』の著者・西川正氏である。市民の「お客様」化によって起こる問題点や、誰もが当事者として参加できる場づくりについてお話を伺った。

西川氏の著書のタイトルにもなっている「お客様」時代という言葉。これは教育、福祉、地域活動による人と人とのつながりですら、等価交換におけるサービスを与える側とそれを受け取る側=「お客様」になってしまった現代社会の世相を表している。西川氏は、そのあり方に率直に疑問を投げかけ、地域に向けたさまざまなマネジメントやコーディネートを行っている。その「お客様」化の要因についても、自身の経験を交えながら説明してくれた。
「1990年代、大学卒業後に埼玉県にある学童保育所の指導員になりました。そこは県からの補助金は出ていましたが、保護者が役員を決め、保育料も集めて、それを指導員に支払うという、まさに保護者主体の運営形態でした。当時、父母の方々は団塊世代が主力で、議論が大好きな人たちばかり。何かトラブルが起こった場合も、保護者と指導員みんなが参加して議論を重ね、対応策を決定していました。賛否両論で話し合いがなかなか終わらず、結論は来月にもち越しね、といったことも珍しくなく。でも、そこには"対話の文化"のようなものがあり、それが非常に面白かったんですね。
ところが、その10年後、自分の子どもが公立の保育所に入ったときには、かなり様相が異なっていました。たとえば、ちょっとでも子どもが怪我をすると、保育士さんたちがすごく謝るんです。それで『これくらいのことで謝らないでください。怪我をしないで育つ子どもなんているんですか』と訊ねたら、『今そんなこと言ってくださるのは西川さんぐらいですよ』と言われました。以前の学童では、子どもが少し怪我をしたくらいで文句を言う人はいませんでしたが、そのころ保育所は保護者からの苦情に萎縮し、リスクを伴う遊びや行事を避けるようになってしまっていたんです」

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