2014年3月19日
「神戸、居留地ものがたり ― 多文化共生の街」 (於 神戸新聞松方ホール)
これまで幾度となく公演を行ってきた大阪を飛び出し、はじめて神戸で開催しました。わがまちのことをより好きになってもらいたい、賑わいづくりのヒントにしていただきたいという語りべ活動を、大阪だけでなく、関西各所に拡げてほしいという声があり、今回特に、神戸での希望が強かったため、開催の運びとなりました。
一般の方々はもちろん、行政や企業、まちづくり関係者の方々にも、多数お越しいただき、「こんな話があったとは、知らなかった」「楽しいひと時でした」「感動した。次回も楽しみにしている」等うれしい感想をいただきました。
第1部は「居留地の誕生」。1868年(慶應3年)、神戸港が開港し、外国人居留地が誕生したいきさつや、明治32年に日本に返還されるまでの居留地の様子や周辺の雑居地について紹介しました。第2部は「神戸からブラジルへ」。明治41年から昭和53年まで、第二次世界大戦の時期を除き、神戸から出港していたブラジルへの移民船と、全国から集まった移民たちが出港前に過ごした国立移民収容所(現「海外移住と文化の交流センター」)にまつわる物語。当時の写真やチャンキー松本さんによるイラストにより、出港前の準備をする移民たちの人間模様を表現しました。この物語は、芥川賞を受賞した石川達三作「蒼氓(そうぼう)」をベースに、栗本がアレンジしたもので、今回はじめてメンバーとして参加した、サキソフォン奏者の小林充さんにも、ヴァイオリニストの西村恵一さんとともに、東北出身者の移民の台詞劇に参画してもらいました。第3部は「洋菓子とパンの物語」。神戸ならではの土壌が生んだ、有名店の誕生秘話を紹介しました。外国人が神戸で立ちあげ成功した店として、「ユーハイム」「モロゾフ」「フロインドリーブ」を選び、各店に取材や資料提供などの協力をいただきました。さらに、三木もとこさんのイラストが、神戸らしい明るく洒落たイメージを醸し出してくれました。その他、手塚治虫の『アドルフに告ぐ』という作品の舞台となっていることや、当時、ユダヤ人が神戸に滞在していたことにも触れました。第4部は、「旧居留地のまちづくり」。戦後からのまちの変遷、賑わいづくりへの取り組み、震災と復興等。最後は、阪神淡路大震災からの復興を祈る歌「しあわせ運べるように」の後、「ふるさと」を客席と一緒に歌って幕となりました。
全編を通し、ジャズを中心とした軽快な音楽をバックに、神戸らしい雰囲気を楽しんでいただけたのと同時に、ご支援いただいた地元の行政・地域・企業の皆さんに「語りべ活動」の魅力や意義を十分理解いただけたのではないかと思っています。(この公演は、翌日、NHK神戸のニュース番組でも紹介されました。)
日 時
2014年3月19日(水) 19:00開演
場 所
神戸新聞松方ホール
主 催
大阪ガス(株)、(株)神戸新聞社
共 催
兵庫県、兵庫県教育委員会、神戸市、
神戸市教育委員会、神戸商工会議所
出 演
栗本智代(語り・総合監修)
宮川真由美(ピアノ・音楽監修)
西村恵一(ヴァイオリン)
池田安友子(パーカッション)
小林 充(サキソフォン)
2013年12月4日
「梅田は西からやってきた」「曾根崎心中考」
(於 グランフロント大阪 ナレッジシアター)
グランフロント大阪ナレッジキャピタルに、都市魅力研究室が新たに誕生したご挨拶を兼ね、新しい客層・コラボレーションのパートナーを開拓する目的でビジネス・パーソンをメインターゲットにした公演を開催しました。
ナレッジシアターにおける初めての公演。来場者は、ご招待者72名を含む250名。
狙い通り、これまでの劇場公演より、企業や行政関係者のお客様が多く見られました。
第二部では、乙女文楽とのコラボレーションを行い、文楽人形が客席の通路を練り歩く演出も行ったこともあり、「はじめて文楽人形を近くで見て感激した」というアンケートでの感想が目立ちました。なお、語りべ連続講座とこの公演を合わせてナレッジキャピタル1周年イベントであるナレッジイノベーションアワードに応募したところ、92の応募のなかから一次選考、二次選考を経て、最終ノミネート20組に残りました。(残念ながら入賞は逃しました)
日 時
12月4日(水) 19:00開演
場 所
ナレッジシアター(グランフロント大阪)
主 催
エネルギー・文化研究所
後 援
一般社団法人ナレッジキャピタル
出 演
栗本智代(語り・総合監修)、宮川真由美(ピアノ・音楽監修)、西村恵一(ヴァイオリン)
池田安友子(パーカッション)、吉田光華(乙女文楽)
2013年9月〜11月
「都市魅力研究室」オープニング記念事業 「なにわの語りべ連続講座」
語りべ活動の普及拡大に欠かせない新たな担い手づくりを目指し、ナレッジキャピタルに、5月に開設した、大阪ガスエネルギー・文化研究所「都市魅力研究室」のオープニングイベントの一環として、5回連続講座を企画開催しました。
活動の紹介から、言葉、発声、作品づくりなど、参加型のワークショップ形式も取り入れ、各回、好評をいただきました。
ここで学んだ成果を活かし、次年度には受講生によるトライアル公演が実現する見込みです。
エネルギー・文化研究所「都市魅力研究室」
都市魅力研究室内「セミナールーム
第1回「平成♪なにわの語りべ劇場」のつくり方 (お話と試演)
日 時
9月25日(水) 19:00〜
内 容
語りべ活動の趣旨・目的やこれまでの歩みと、制作手法について紹介。
作品例として、「水都物語<治水翁 大橋房太郎>」の上演も行った。
講 師
栗本智代(CEL)
演 奏
ピアノ 宮川 真由美 、ヴァイオリン 西村 恵一
参加人数
30名
セミナールーム
活動の解説
第2回[講演] 語り手体験講座 I <発声編>
日 時
10月9日(水) 14:00〜16:00
場 所
ナレッジキャピタル「都市魅力研究室」
内 容
発声練習、滑舌をよくする練習、関西弁と標準語のアクセントの違い、印象に残る話し方等。
講 師
沢田 やすよ(アナウンサー、ナレーター)
*会場がほぼ一杯となり、講師の先生と会場の参加者がやりとりしながら人前で話をする練習も行いました。
参加人数
約30名
第3回 [講演] 大阪弁と語り
日 時
10月21日(月)19:00〜20:30
場 所
ナレッジキャピタル「都市魅力研究室」
内 容
大阪と大阪弁をこよなく愛する、作家のわかぎゑふ氏が登壇。
「はい」「いいえ」と言う返答をしないことで会話を途切れさせない術、標準語を話しているつもりが大阪人(関西人)とばれてしまう訳、 大阪人は、トイレに立つ時にどこに行くか予告してから席をはずす等大阪流コミュニケーションの特徴について。エピソードや参加者とのやりとりを交えて、楽しくお話いただきました。
講 師
わかぎ ゑふ(作家・演出家)
参加人数
約40名
第4、5回 [ワークショップ] 語り手体験講座 II
日 時
11月6日(水)、20日(水) 14:00〜15:30
場 所
ナレッジキャピタル「都市魅力研究室」
内 容
実際に、映像を使用しながら、公演形式で、語り手を体験してみる。
1. 朗読の練習。台本を自己流に修正し、資料(画像)を使って説明する体験。
2. 音楽効果にあわせて、発表する。
講 師
栗本智代(CEL)
ゲスト
ピアニスト 宮川 真由美
※2回連続のワークショップ。
6日は7名、20日は8名の参加があり、2チームに分かれて、映像を使用しながら、「曾根崎心中」を題材に、オリジナルの台本作成、音楽効果の演出も加えて作品にしてもらい、リハーサルをした上で発表会を行いました。参加者からは、「実際にやってみて、大変楽しかった。」「自分の地元でも活用していきたい」等、自らも参加したいとの積極的な声が聞かれました。次年度、継続希望者によるチームを結成し、新しい作品づくりに取り組む計画を進めています。(写真は、発表会の様子)
2013年9月24日
「淀川ものがたり―治水翁 大橋房太郎」 (於 枚方市民会館)
枚方信用金庫「ひらしん年金友の会」の定例行事の一環。今年のテーマは「健康」。第1部は、心の健康として、なにわの語りべ公演を行い、第2部では、体の健康として、京都大学大学院 森谷 敏夫氏が「運動による老化防止」について講演されました。
語りべ活動としては、大阪市以外の関西各エリアへの普及拡大をはかる活動の一環としての公演であったが、狙い通り、初めて鑑賞されるお客様が多く、目的を 達することができました。演目は、枚方が舞台になっている淀川改修のエピソードが含まれた、「水都物語<治水翁 大橋房太郎>」。
2013年6月10日
「大阪モダニズム物語」「曽根崎心中考」(於 備後町アーバネクスビル3Fホール)
大阪ガスによる、金融関係者様を招いた勉強会の一環で、なにわの語りべ活動を紹介しました。
都市のもつ歴史的文化的資源を発掘し楽しくわかりやすく伝えることで、その魅力を多くの方に知っていただくと同時に、まちの賑わいづくりや観光振興などのヒントにしていただくことを目的とする活動趣旨を説明。その後、ビジネスゾーンである御堂筋や梅田を舞台にした2作品を上演。参加者からは「ふだん何気なく歩いている街の見え方が変わった」「地域に根差したユニークな活動」等の感想をいただきました。
(参加した金融関係者は、22社、53名。)