2016年2月27日
(於 芦屋市民センター ルナ・ホール)
2015年度の新作は、芦屋ゆかりの、在原業平をテーマにした作品でした。
芦屋で生まれた舞踊「小槌業平」の再演が実現するため、芦屋と業平について紹介していただけないかという芦屋市民センターの文化プロデューサーからのご依頼がありました。計画当初では、芦屋らしい大正・昭和初期のモダニズム文化も含めて紹介することを検討しておりましたが、劇場の舞台機構の関係で、第二部の舞踊との兼ね合いもあり、映像の上映が難しいと判明しました。そのため、画像を使わず、朗読と音楽だけで表現することに挑戦することになりました。写真やイラストをまじえて紹介する、というこれまでの手法をとらないのは初めてのことでしたが、在原業平とはいったいどんな人物だったのかを描くことに焦点を絞り、肩のこらない、新たな語りべシアターとしてのエンターテインメントを目指しました。音楽家のメンバーには演奏以外の演出にも協力していただきました。特に、業平役は演劇の経験のある西村恵一氏に依頼し、より親近感のもてる業平像を演じてもらえるよう台詞に推敲を重ねました。照明にも変化をつけ、お客さまに参加していただきながら話を進めていくといった工夫も凝らし、制作者として従来にない経験ができました。来場者は約450名。芦屋市外からお越しになられた方も多かったようでした。
お客さまから、「業平のことが楽しく理解できた」「ふだんの芦屋と違った都市イメージが伝わり大変よいシナリオだった」「小・中学生にも見てほしい」など、主催者からは、業平の有名なエピソードも含め、第二部の舞踊「小槌業平」への導入としてもありがたかったと、喜んでいただきました。
「在原業平と芦屋の里」作品内容・プログラム
在原業平は、平安時代の貴公子で叙情詩人、見目麗しい歌人であり、古今和歌集に数々の歌が紹介され、『伊勢物語』の主人公としても語り伝えられています。
業平の父は、平城天皇の第一皇子・阿保親王。母は、桓武天皇の皇女・伊都内親王。平城天皇は桓武天皇の皇子でもあり、非常に高貴な血筋です。ところが、薬子の変と呼ばれる事件で、嵯峨天皇に兵を向けたということで咎められ、平城上皇は出家し、皇子の阿保親王まで九州の大宰府へ左遷となりました。
赦免された阿保親王は京都に戻り、伊都内親王を妻に迎えて、誕生したのが、業平でした。その業平が、芦屋に滞在していたことがあるといいます。
芦屋でどんなエピソードがあったのか、業平にとって、芦屋はどんな場所だったのか。朗読と音楽の生演奏で、少し創作もまじえ、わがまち芦屋との縁を楽しく紹介しました。
♪プロローグ
緞帳前。芦屋のまちや業平について、出演メンバーがイメージを語り、表現を模索する、語りべシアターのメイキングシーンを再現してみました。
第一章 業平ってどんな人?
出世より、愛に生きたと語られている、在原業平。置かれた境遇は光源氏に似ていますが、祖父が謀反人、父親も左遷されたという経歴から、性格はたぶん暗かったのでは?と推測されます。イケメンでしたが、あまり漢学の勉強はせず、和歌が大好きだったようです。
第二章 イケイケ・モテモテの業平
業平には、その美しさ故、女性からの恋文が絶えません。噂は噂をよび、あることないこと、伝えられていきました。そんななか、業平が、本気で挑んだのは、藤原氏の養女で、宮中へ入内が決まっていた高子という女性との恋の逃避行でした。
第三章 芦屋にて
業平には、芦屋の海岸に、父親阿保親王より相続している所領がありました。
業平は、京都での気詰まりな宮仕えから逃げるように、芦屋の浜辺へと向かいました。
そこで業平は、不思議な体験をし、芦屋や打出の地名の由来を学び、芦屋で夢中になって取り組めることを見つけます。芦屋の妻とのやりとり、兄や同僚と一緒に布引の滝へ訪れた情景などは、『伊勢物語』にも紹介されており、屏風絵としても残っています。
第四章 史跡案内
芦屋市内には、業平や阿保親王に関連する史跡や名前が複数の箇所に残されています。
打出町の国道43号線の北側にある阿保親王の菩提寺・阿保山親王寺。JR芦屋駅の北東1キロの所にある阿保親王塚(古墳)、国道2号線が芦屋川に横切る箇所にかかる業平橋、伊勢物語の業平にあこがれたという、謡曲「雲林院」の主人公の名前がついた“公光町”。
ぜひ一度、足をお運びください。
日 時
2016年2月27日(土) 15:00開演
場 所
芦屋市民センター ルナ・ホール
主 催
芦屋市 芦屋市教育委員会
協 力
大阪ガス株式会社
入場料
当日1200円、前売1000円 (チケット発売所、 市民センター事務所・市役所売店、ローソンチケット)
2016年1月6日
(於 アクティブライフ箕面)
「アクティブライフ箕面」は、大阪府箕面市の閑静な住宅街にある有料介護付き老人ホームで、入居時にお元気な方の健康維持をサポートする、という特徴があります。建物のなかに、大きな多目的ホールがあり、入居者を中心に地域の方々を対象に、心身の健康を促進するような文化的なイベントを企画されており、落語会や音楽会などが頻繁に開催されています。
語りべシアターは、2012年の1月以来、2度目の公演でした。
今回は、天王寺区の下寺町界隈を舞台に、まちの歴史、上方芸能との縁や作品などを紹介し、最後に会場の方全員で、「ふるさと」を合唱しました。
来場者は約60名。お客さまのなかに、その界隈にお住まいだった方がいらっしゃって、「懐かしかった。そこが自分の故郷だと痛感した。ありがとう」とお声をかけていただきました。
日 時
2016年1月6日(水) 14:00〜
場 所
アクティブライフ箕面
2015年10月24日
(於 中央電気倶楽部大ホール)
NPO法人大阪活性化推進総研様は、主にシニア層の方々を対象に、健康や音楽などを切り口に毎年催しを企画運営されておられ、お客さまのなかには自治体やまちづくりに携わっておられた方々を少なからずお見受けしました。約230名が参加されました。
「語りべシアター」をはじめて体験される方が過半数で、アンケートでは「語りと映像と音楽のコラボレーションが素晴らしい」「こんな手法があるとは、新しい」「曾根崎心中は何となく知っていたけれど、その内容や梅田との縁をはじめて知った」等と、好評をいただきました。
日 時
2015年10月24日(土) 14:00〜16:30
場 所
中央電気倶楽部大ホール(大阪市北区堂島)
内 容
2015年10月19日
(於 大阪ガスエネルギー・文化研究所 都市魅力研究室)
2013年に都市魅力研究室のオープニング企画として開催しました、「語りべシアターワークショップ」卒業生メンバーの有志により、2014年は、住吉界隈を舞台にした作品を発表し、好評をいただきました。
今年は、メンバー3人が活動を継続し、大和川の付け替えを題材に、新たに作品を制作しました。取材に際しては、多くの関係者の方にご協力をいただきました。さらに、画像制作には、イラストレーターの智多とも氏にご協力いただき、臨場感が加わりました。取材先のご縁で、11月には、東大阪2か所での公演も決定したため、公開リハーサルとして、都市魅力研究室で、作品をお披露目する機会をつくりました。
当初、1回公演の予定でしたが、希望者が多かったため急遽2回公演とさせていただきましたが、それでも、両公演とも、都市魅力研究室セミナー室が満員になりました。
「大和川に、こんなエピソードがあることをはじめて知った」、「画像が大変わかりやすかった」初回からチャレンジ公演を見てきた大阪ガス関係者からは、「より"語りべシアター"らしくなり、3人の語り手でそれぞれの役割を演じられたので聞きやすかった」とのコメントをもらいました。
日 時
2015年10月19日(月) 13:30〜15:30 16:00〜18:00 【2回公演】
場 所
大阪ガスエネルギー・文化研究所 都市魅力研究室(グランフロント大阪・北館タワーC 7階)
演 題
「大和川今昔ものがたり ― 甚兵衛と市郎右衛門」
※ 11月の外部公演
① 東大阪 鴻池ジャズ ストリート 2015
日 時
11月1日 (日) 語りべは 16:00〜
主催者
旧大和川ストリート実行委員会
東大阪 鴻池ジャズ実行委員会
場所
鴻池グリーンパル (JR学研都市線 鴻池新田駅)
② 河内の国フォーラム「地域資源と観光を考える」 (主催:河内の国文化遺産総合活用実行委員会)
日 時
11月21日(土) 13:30〜
場所
大阪商業大学「蒼天ホール」
トピックス
活動趣旨目的と、活動履歴を紹介しております。
ご興味のある方は、こちらへアクセスしてください。(PDFでダウンロードできます)
http://www.og-cel.jp/issue/cel/1224659_16027.html
トピックス
2015年10月22日(木) 23:17〜24:12 放映
テーマ:「魅惑のアンダーグラウンド!地下街に秘められた真実」
http://www.asahi.co.jp/be-bop/backnumber/151022.html