2025年2月19日
日本経済団体連合会(通称:経団連)の会員企業で各社広報部長および広報担当者から構成される懇談会にて、ピアノ(宮川真由美さん)とヴァイオリン(西村恵一さん)の演奏をまじえた語りべシアター形式で、「御堂筋ものがたり」「曽根崎心中考」を上演しました。参加された方々からは、「関一市長の大胆な改革を改めて知った」「御堂筋の将来ビジョンが興味深い」「歴史と現在が急につながって、感動した」「音楽の生演奏と語りがぴったりで驚いた」などの感想をいただき、語りべシアターの活動についても、より理解を深めていただくよい機会にもなりました。
日 時
2月19日(水) 18:00〜20:00
場 所
クラブ関西
テーマ
大阪再発見「御堂筋ものがたり&曽根崎心中考」
―語りと音楽の生演奏による“語りべシアター
参加人数
18名
2024年12月7日
2024年12月7日、大阪市大正区にある市立中泉尾小学校の創立100周年記念式典にて、6年生が中泉尾地域の魅力を「語りべシアター」の手法を活用して発表しました。
その2年前当時の校長から依頼を受けて以降、担当教員と下準備を進めた後、2024年1月から、当時の5年生31名全員で作品制作を開始し、発表するまで指導サポートに当たりました。
「知るほどファンに、中泉尾―われらの母校中泉尾小の校歌について」と題して、校歌の歌詞から、水の都、渡し船、機械、工場、花、大正区などをキーワードに、歴史からまちづくりまで、クイズや寸劇、器楽演奏を入れながら、6年生らしい作品を完成させました。
最初は興味を示さない生徒もいたのですが、話し合いや練習を繰り返した結果「みんな完璧だった。精一杯発表できた」「楽しかった」「拍手をもらって嬉しかった」と達成感が感じられる感想が並びました。来賓の方々は、「素晴らしい発表だった」「地域や学校の誇りを再確認できた」「次の世代に伝えていきたい」と感動していました。
準備の中で「このまちが好きになった」という言葉が生徒から出てきて、発表作品のタイトルが決まりました。彼らにとって、それまで関心がなかった学校周辺のまちについて知る機会となり見方が少し変わったのではないでしょうか。この経験がこれからの生活やまちづくりに、いつか何らかの形で反映されることを願っています。
なお、この一連の取り組みについて、大阪ガスネットワークの社会貢献(小学校参加イベント紹介)として、電気新聞2025年1月22日に掲載されました。
日 時
12月7日(土) 10:00〜11:20
場 所
大阪市立中泉尾小学校体育館
2024年10月26日
「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪2024」(以下、イケフェス大阪)で、大阪倶楽部(現会館)および安井建築設計事務所の100周年アニバーサリー企画として「語りべシアター&スペシャルトーク」をプロデユース、実施しました。
昨年のイケフェス大阪での「語りべシアター」公演では、私の職場である“大阪ガスビルディング”を中心にその魅力とともに、設計者の安井武雄について紹介しました。今年は、安井武雄が建築家として大阪デビューを果たした作品といわれる「大阪倶楽部」(現会館)の100 周年を記念して、同建物のホールでの開催を企画しました。場所は、現在の大阪市中央区今橋4丁目、Osaka Metro御堂筋線の淀屋橋駅から西へ数分歩いた所です。
大阪倶楽部は、1912年(大正元)、財界人・紳士の社交場として、誕生しました。特定の業種、業界に偏ることなく有識者らが集い、「知の交流と心のふれあいの場」としての、伝統的な歴史のある会員制社交倶楽部です。1922年(大正11)7月24日に事故で火事があり、焼失してしまいました。が、その3日後に、また一から建てなおすことが決まり、新たな大阪倶楽部は、いくつか設計案が比較検討された結果、片岡建築事務所の安井武雄が担当する設計案が選ばれます。そして、火事のあった翌年の1月から着工され、1924年(大正13)に完成しました。
安井武雄は「南欧風の様式に、東洋風の手法を加味せるもの」と表現していますが、倶楽部建築らしい、規律のある典型はきっちり押さえつつ、たとえばスパニッシュやイスラム、東洋的な要素を新たに混ぜながら、どの様式にもおさまらない作品として、大阪倶楽部を設計しました。この2代目の大阪倶楽部完成後、安井武雄はすぐに独立しますが、その際立ち上げた建築事務所も今年100周年を迎えるため、イケフェス大阪の機会に特別な記念プログラムを開催しようと、株式会社安井建築設計事務所様と共催の形で計画を進めることにしました。それが、「語りべシアターとスペシャルトーク」です。
語りべシアターでは、安井武雄の人生に焦点を当てつつ、大阪倶楽部の魅力や特徴を改めて紹介し、さらに安井武雄の精神を受け継ぐ「安井建築設計事務所」の仕事から未来まで展望する内容に編集しなおしました。そして、スペシャルトークとして、倉方俊輔さん(大阪公立大学 教授)、澤田充さん(株式会社ケイオス 代表取締役 CEO)、佐野吉彦さん(株式会社安井建築設計事務所 代表取締役社長 CEO)に登壇していただき、建築史からの見解、安井建築設計事務所の100年、そして今後の取り組みの視座や大阪の街についても、広く自由に語っていただこうと考えました。
昼の部は、語りべシアター公演のみ、夜の部は、語りべシアターとスペシャルトークの2本立てとしましたが、いざ当日となりますと、昼も夜も会場は満席、特に夜の部はキャンセル待ちが出るほどで、関西はもとより、東京や愛知、札幌など日本全国からお客さまが来られました。
語りべシアターは、もともと語り(朗読)と画像(パワーポイント)に音楽の生演奏などで演出を加える形式を基本としており、題材によっては、役者も交えた朗読劇形式の演出も取り入れてきました。今回の作品では、一人の建築家の人生を軸に編集するため、安井武雄役として役者さんに参画していただきました。今回依頼した関秀人さんは、舞台や映像などあちこちで活躍されてきたベテランの役者さんで、大正から昭和初期の服装にも詳しく、台本からイメージを膨らませた小道具や演出の提案もいただき、少ない練習回数の中で、台本と演劇、映像、音楽のコラボレーションをよりブラッシュアップさせることができました。
大阪倶楽部の4Fホールは、非常に趣のあるデザインであり、木材を多く使っているため音の響きがあたたかく非常に魅力的な会場です。今回はここでぜひ開催したいと約1年前から予約していました。ただ課題もありました。プロジェクターを天井に設置することができず、舞台の奥行も浅く照明も制約があったため、舞台床を特別に前方に1メートル程度張り出して、語り手の演台とヴァイオリン・尺八の奏者を舞台奥の上手と下手各々ぎりぎりに上げ、その前方のプロジェクターの光を受けない限られた舞台上で安井武雄役には芝居をしてもらう、という判断となりました。当日の仕込み・リハーサル時間を目いっぱい使って、いかにこの環境をベストな状態に調整できるか、知恵を絞りながらの準備となりました。大阪倶楽部のスタッフの皆さまには非常にお世話になりました。
夜の部後半のスペシャルトークは、登壇者の方々の専門的な知見や経験により、話題があちこちに飛びながらも建築の話から世界の街で各文化に携わる方々が未来に何を見すえて活動しているのか等話が広がり、お客さまも楽しみながら、学ばれている様子が見て取れました。
歴史ある100年を刻む「場」で、出演者と昼夜あわせて約400名のお客さまとともに、良質な「場」を共有できたことが大きな幸せでした。1年前よりプロデュースを進めてきた甲斐がありました。共催の安井建築設計事務所様、協力いただいた大阪倶楽部様他サポートくださった方々、ご出演、ご来場の皆さま、ありがとうございました。
※「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪」(通称イケフェス大阪)とは、大阪のまちを1つの大きなミュージアムと捉え、そこに存在する'生きた建築'を通して見えてくる、多様で豊かな都市の物語性を大阪の新しい魅力として創造・発信しようとする取組みです。2013年度から実証実験を経て立ち上がり、今年は11回目として、10月26日、27日に開催されました。
日 時
10月26日(土) 第1部:15:00〜、第2部:17:00〜
場 所
大阪倶楽部4Fホール
来場者
第1部・第2部計 約430人
プログラム
大阪倶楽部・ガスビルを設計した安井武雄―その人生と作品の魅力
スペシャルトーク(第2部のみ)
2024年5月30日
2022年、大阪市総合生涯学習センター主催「いちょうカレッジ」で「語りべになろう」と題した講座を行いましたが、修了された方々を中心にチームを組み、翌2023年に作品発表会を開催しました。大変好評をいただき、発表したメンバーもさらに活動意欲が増したということで、5月30日に、2回目の発表会を開催しました。
昨年の発表会では、どのチームもはじめてのトライアルとして一から発表準備を始めたため、パワーポイントの画像の作り方や、テーマのこだわり方について、手探りで制作していました。そして実際お客さまの前で発表して、良かった点や修正すべき点などを体得できたのだと思います。今回の制作は、各チーム、要領を得ており、焦点の絞り方や表現などに工夫を凝らし、本番では、どの発表も1年前より内容が濃くわかりやすい内容になっていました。また、プログラムの4番目として私も登壇し、語りべシアターの活動を立ち上げた第一作目の作品「曽根崎心中考」を音楽家とともに改めてお披露目しました。
当日は、約90名のお客さまにお越しいただき満席となりました。お客さまからは、「大阪にまつわる歴史が学べて、非常によかった」「まだまだ知らない大阪があると思った。現地を訪ねたい」「かけあい、朗読、コント、音楽と映像と、いろいろな表現ですばらしい発表だった」「また次回も楽しみにしている」等々感想をいただき、非常に満足度が高かったことがうかがえました。
また、今回の公演には不参加でしたが、コロナ禍前からこの活動を継続している「ヒストリアX」というチームから、4月にメンバーの一人が住んでいるマンション自治会の集いで、以前に制作した「1970年大阪万博レガシー」という作品をブラッシュアップさせて公演したとの報告がありました。このチームは、各メンバーが関わる地域のコミュニティで、積極的に発表の機会を創出しており、まちの物語を伝えるとともに、地域の集いの「場」を活性化させてきたと聞いております。
今後の「語りべシアター」の展開としては、各チームが、時には個別にそれぞれの地域コミュニティで、時には一同に会して、多様な場所や形式で公演を開催しながら、活動の裾野をさらに広げていくことを目標にしています。住民の方に知的好奇心を高めていただく学びの機会を提供することで、一人でも多くの方が、わがまちに興味を持ち、誇りに思い、それが地域や人の元気につながると信じて、これからも模索しながら活動を続けたいと思っています。
日 時
5月30日(木) 13:30〜16:30
場 所
大阪市総合生涯学習センター
来場者
約90名(満席)
プログラム
1.「野球マンガと甲子園」(ボランティア講座同好会『ひまわり』チーム)
2.「ありし日の川を偲んで橋々を巡る〜心中天の網島 名残の橋づくし〜」(あんきょろりんチーム)
3.「昔はお薬だったの!?大阪から始まった魅惑のスパイス」(たそがれの御堂筋チーム)
4.「曽根崎心中考2024」(ロングランチーム:栗本智代、ピアノ宮川真由美さん、ヴァイオリン西村恵一さん)